格安SIMではMNOと比べて料金が安くなる反面、デメリットとして挙げられるのが通信速度が遅いという話。

毎日のように値下げが繰り広げられるMVNO市場ですが、格安SIMの事業者を選ぶ上で最も重要なのは通信速度だと思っています。せっかく大量に契約しているSIMカードを有効活用するために通信速度の測定を定期的に行っています。

広告を表示できません。

測定環境・条件

格安SIMでは測定する条件によって大きく速度が異なってきます。測定端末や測定時間が完全に同一ではなく、あくまでも私が測定した環境での結果なので参考程度に見てください。

あえて混雑しやすい時間帯を選んで測定しているので「混雑時にどれだけ通信速度を保てているか」を見てもらえるとMVNOの信頼度や通信速度の安定感がより分かってくると思います。

参考用にワイモバイルも含めていますが、ワイモバイルはほとんどMNOのようなものなので基準としてみてください。なるべく時間を短縮するためにデュアルSIM端末でSIMを入れ替えながら切り替えて使用しています。

より正確な速度を出すために「4GMark」を使用

昨年1月から試験的にSpeedtest.netから4GMarkというアプリに切り替えてみました。

このアプリは通常のスピードテストに加えて、YouTube動画の再生やウェブサイトの読み込み速度を数値化してくれる素晴らしいアプリです。

以前から楽天モバイルやFREETELなどで起こっている「スピードテストは速いのに体感速度は遅い」という問題もチェックできると思います。完全テスト（Full Test）は通信量が多く、複数回測定すると直近3日間制限に引っかかるSIMがあるため時間帯ごとに1発勝負にしています。

2017年11月から通常の速度測定はSpeedtest.netで行うようにします。クイックテストの精度があまり良くなかったり、測定に掛かる通信量が多く見られるため変更しています。

前回からの変更点

前回の測定結果はこちら。
https://creatorclip.info/2018/01/mvno-speedtest-2018-01/

端末を整理してSIMの組み合わせを入れ替えました。

2017年11月から試験的に表組みを下りと上りを分けて速度が早い順にソートして表示しています。これで速さの差が比較しやすくなりました。

広告を表示できません。

朝8時～9時での測定結果

朝の通勤ラッシュの時間帯で測定した結果、b-mobile S 開幕SIMが下り50Mbpsを超えました。同じソフトバンク回線を利用したnuroモバイル SBプランはそこそこのスピードでした。

mineoはドコモとauプランそれぞれ30Mbps近くを叩き出しており好調な滑り出し。その他のSIMも朝の時間帯は比較的空いているので爆速を維持していました。

広告を表示できません。

昼12時～13時の測定結果

平日のランチタイムは格安SIMが1番速度が落ちやすい時間帯です。この時間帯だと速いSIMと遅いSIMの差がはっきりと分かれるため、この時間帯で速いSIMを選ぶと比較的安定していると言えるでしょう。

いつもならベスト3に入っていたb-mobile S 開幕SIMが5位に転落していました。お昼で14Mbpsも出ていたらかなり速い部類ですが、以前よりも若干速度が落ちたように感じます。

nuroモバイル SBプランは爆速ではないものの、ある程度実用的な速度を維持し続けています。お昼の時間帯は下り3Mbps程度出ていたら十分です。

その他の会社は下り1Mbpsを切っているため、画像や動画などの送受信をすると「遅い」と感じやすくなります。テキスト中心のメッセージやウェブサイトの閲覧なら何とかなるレベル。

夜19時～20時の測定結果

夜の退勤ラッシュの時間帯に測定。ここに来てnuroモバイルのドコモ回線が速くなりました。普段であれば遅い方の回線ですが珍しいですね。測定ミスなのかと何度か計測してみましたが結果は同じ…。

nuroモバイルはソフトバンク回線のプランも速度が回復しており、最近の帯域増強などが影響したのでしょうか。今回の測定タイミングでは動画視聴なども快適に行えました。

1日の統計速度

1日の平均速度がこちら。

測定結果を踏まえた感想と今月のオススメSIM

測定結果の前に以前書いた格安SIMの選び方も合わせてご覧ください。ここから先はアフィリエイトリンクを含む内容となるため、嫌悪感を抱く方は会社名で検索を掛けて契約して下さい。

NifMo

今年に入ってから急に速度が伸び始めたNifMo。
お昼の速度はある程度落ちてしまいますが、それ以外の時間帯では概ね快適な速度をキープしていました。帯域増強をしたからなのか、突然安定した速度が出たので驚きました。
次月以降もこの速度をキープしてくれるか楽しみですね。

プラン内容では直近3日間制限がまだ残っているところが玉にキズ。
昨年9月からは制限日数が1日に緩和されたのでまだ我慢できますが、楽天モバイルですら撤廃しているのでそろそろNifMoも廃止して欲しいところです。

現在は格安スマホと音声プランのセットで10,000～20,000円のキャッシュバックを行っています。「格安SIMにするのと同時にスマホも変えたい！」という方に人気の会社です。

寄稿記事でNifMoの概要を紹介しているので、良ければ合わせてご覧ください。
https://www.soldi.jp/articles/nifmo/

mineo

以前よりも朝や夜の速度が向上していました。お昼になると速度が下り1Mbpsを下回ってしまうことが多いですが、キャンペーンで利用者が増えている割にはそこまで極端な速度低下は見られません。

mineoならではのパケットを誰とでもシェアできる仕組みは他社も真似してほしいほど、唯一無二のサービスだと感じています。パケットシェアで家族で分け合ったり、パケットギフトで友達同士シェアしあって余ったパケット繰越を延長したりと利用方法は様々。

コミュニティサイト「マイネ王」ではmineoユーザー同士の交流や運営スタッフによるブログで活気が溢れています。

下記の招待リンクから登録すると、私とあなたにAmazonギフト券2,000円分がプレゼントされます。
http://mineo.jp/syokai/?jrp=syokai&kyb=F8J0C0U6R8

UQ mobile

常時15～20Mbps以上出ている優秀な格安SIMです。長期的に契約していますが、極端に速度低下していることが少なく安定しているのが特徴です。

テレビCMで人気の「おしゃべりプラン・ぴったりプラン」では、通話定額や無料通話が付いているため、キャリアからの乗り換えにも最適です。1年目経過後に料金が1,000円アップすること、2年縛りがあることを除けば割りと良いプランなのではないでしょうか。

この測定で使っている「データ高速プラン」は3GBで1,000円台から使えてとってもお得です。ネット閲覧やSNSをよく利用する方にオススメ。

UQ mobileの詳細についてはモバレコでも寄稿しているので良かったら合わせてご覧ください。

以前寄稿した記事で、サブキャリアで速度の速いUQ mobileの魅力を紹介しています。
https://www.soldi.jp/articles/uq_mobile/

ワイモバイル

キャリアのサブブランドの力により混雑時に影響されず、いつでも安定した高速通信を利用できます。前月と比べると若干上りが落ちていますが、これ位出ていたら十分使えるレベルではないでしょうか。

ワイモバイル自体は格安SIMとして販売していますが、実際はドコモ・au・ソフトバンクと同じキャリア回線（MNO）なので、ずるいと言えばそうなんですが料金プランは他社よりちょっと高い位でこの品質はユーザーからすると嬉しい限りです。

グラフを見ても分かる通り、他社よりも圧倒的に速度が安定しているためメイン回線として利用することをオススメしています。10分間の通話定額が標準で付いてくるのも有り難い。

シェアプランを使えば最大3枚までSIMを追加できるので、家族みんなで利用したりサブ端末に分けて挿すなどの使い方にも向いています。プランLなら手数料無料で追加できます。

新たに長文でレビューも行いました。業界最速と言われたワイモバイルの魅力をご紹介します。
https://www.soldi.jp/articles/y_mobile/

b-mobile S

ソフトバンク回線を使ったb-mobile Sシリーズは通信速度も速く安定しており、メイン回線として使っていても不満がない回線です。

新たに値段の安いiPhone向けの音声プランや、iPad向けのデータプランが発表されており、ソフトバンクのiOS端末を利用している方は乗り換えやすい会社だと思います。

https://creatorclip.info/2017/10/b-mobile-s-just-fit-sim/
https://creatorclip.info/2017/12/b-mobile-s-190-pad-sim/

ドコモ

高いお金を払って維持しているドコモ回線では、混雑時だとは思えないほど安定した速度が出ていました。私の環境ではいつ測定しても下り10Mbpsを切る事はほぼないため、通話とデータ通信のメイン回線として活躍してくれています。

とはいえデータ通信量をケチって5GBのシェアプランで組んでいるため、調子に乗るとすぐに速度制限が掛かってしまいます…。データ通信量（ギガ数）を節約しながらちょこちょこと使うようにしています。

安くした分だけ快適さが犠牲になるのではなく、「考えるのをやめて大手キャリアに乗り換える」という選択肢もありじゃないかなと思います。

IIJmio

格安SIMの中でも評判のいいIIJmioですが、実際の速度は平均くらいです。

前回の測定と比べるとお昼時の速度低下が若干緩和されたように思えます。数値上ではほとんど違いは無いですが、混雑しやすい時間帯を避けて使用することをオススメします。

会社としての信頼も厚く、MVNO業界を牽引していく存在となる会社で期待していますが、引き続き混雑状況の改善は取り組んでもらえると助かります。

nuroモバイル / 0 SIM

じわじわと回復していたnuroモバイルも今回はそこそこの数字をキープしています。爆速とは程遠いものの、SNSなどを閲覧する程度であれば問題ない速度なので良くも悪くも値段なりかと。

相変わらず厳しい通信容量制限や、今月より始まった画像の最適化で圧縮された画像が表示されるようなったので、今後しばらく様子見をシてみようと思います。

LINEモバイル

昨年から速度低下し始めてから中々速度が回復しない会社です。IIJmioなどと同じく混雑時を避けて使用すれば問題なく使えるので、サブ端末に挿してたまに使っています。

LINEやTwitter、Facebook、Instagramなどが使い放題になるカウントフリー機能によって、少ないデータ通信量のプランでもギガ数を消費しない点が魅了的なプランです。

もし速度制限に掛かったとしても、上記アプリケーションの通信であれば制限に掛からない（一部対象外あり）フルスピードが出るため、SNSを中心にスマホを利用する方にはイチオシです。

OCNモバイルONE

これまでと同じくスピードテストだけ速い現象（スピードテストブースト）が発生しています。

測定した数値よりも遅く感じるため正直言って悪質です。SNSなどの利用だけであれば問題ないですが、アプリの更新やダウンロード、ストリーミング動画の再生などはガッツリ制限を掛けています。

定期的に帯域増強はしているらしいですが、その効果は今ひとつ見られないです。「https通信のペーシング」を採用して混雑時の改善をすると発表していた割に結果には反映されていない模様。

FREETEL 使った分だけ安心プラン

ついにFREETEL運営のプラスワン・マーケティングが倒産してしまい、体制が整うまではとりかえ～るなどの端末保障サービスが利用できなくなってしまいました。

FREETEL SIMはこれまでと変わらず楽天が運営することになりますが、買収によって変わったような様子は今のところ感じられません。
新規契約も終了しているみたいですし、今月末で解約します。

https://creatorclip.info/2017/12/freetel-dropout/
https://creatorclip.info/2017/04/freetel-smart-comicom-plus/

新規契約受付も終了しているらしいので、今月いっぱいで解約しておこうと思います。

以前はスピードテストだけ速い「スピードテストブースト」を行っていた疑惑もあるため、この回線をメインにするのはおすすめできません。SNSなどを中心に行うサブ回線に向いています。カウントフリー機能もありますからね。

ロケットモバイル

帯域増強により以前と比べて速度が徐々に回復し、他社よりも少し速い結果となったロケットモバイル。他社より少しいいポジションについています。

上り最大50Mbpsで使い放題（上りのみ）のアゲアゲプランも登場し、他社にはない個性的なプランも出しているため、使い方がプランに合致したときはお得になります。

イオンモバイル

タイプ1とタイプ2で速度に大きく差が出ています。タイプ1の提供元がIIJmio、タイプ2がOCN系列とされており、私は断然タイプ1をオススメしています。

タイプ2はお昼の接続がタイムアウトになることが多々あり、使っているとストレスが溜まります。

全国のイオンで契約や修理などのサポートが受けられる点や、音声プランでも最低利用期間や解約金が発生しないところなど、格安SIMや格安スマホ初心者でも安心して契約できるので人に勧めやすいです。

プランの選択肢もデータ容量に応じて多くの種類から選べるので無駄がないです。

エキサイトモバイル

FREETELやb-mobileでやっている段階性従量制プラン（最適料金プラン）を提供しているので、使った分だけ支払うのは無駄がなくて嬉しい料金設定です。

混雑時に弱いですが、朝の時間t内などを中心に利用するとそこまでストレスは感じません。以前は他の会社よりちょっと早い会社でしたが、今は速度が落ち込んでしまっています。

楽天モバイル

回復していたように思えた楽天モバイルもまた元の低速に戻ってしまいました。

直近3日間制限を撤廃したり、2回線目以降のプランを割引したりとユーザー目線に立ったプラン展開になってきています。会社の評判的にあまり信頼は出来ないですが、暫く様子見してみたいと思います。

今回までrmobile.jpとrmobile.coの2種類のAPNを契約していましたが、速度的にそこまで変わりないと分かったので新しい.coドメインのみ残して解約したいと思います。

https://creatorclip.info/2017/02/rakuten-mobile-3day-speed-limit-abolish/
https://creatorclip.info/2017/02/rakuten-mobile-campaign-201702/

BIGLOBE

YouTubeやAbemaTVの通信量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」などが人気を集めるBIGLOBE。以前と比べて速度は落ちていますが、Aプランは最低限利用できるラインはキープしています。

https://creatorclip.info/2016/10/biglobe-entame-free-option/
https://creatorclip.info/2015/11/biglobe-sim-lite-s-plan-review/

モバレコさんでも詳しくレビューしているので良かったら見てください。

https://mobareco.jp/a85229/
https://mobareco.jp/a90431/

全測定結果

最後に全測定結果を載せておきます。スマホだと縦に長いのでPCから見たほうが比較しやすいかも。