「HUAWEI P30 Pro(VOG-L29)」3週間使用レビュー。高画質な広角・望遠カメラは旅行やおでかけに便利!
- ライター:鹿
「HUAWEI P30 Pro(VOG-L29 )」の国際版を沖縄のフォロワーさんからお借りしてレビューしています。国内版はドコモが独占販売をしていますが、9月にようやく発売されるということで先行してグローバル版を使ってみました。
50倍ズームに対応し「月まで撮れるスマホ」とカメラで話題のモデルですが、2週間使ってみて良いところや悪いところが見えてきたので感想をまとめてみます。
- ■注意事項
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- ※本記事は、技術基準適合証明を取得していない端末の日本国内での利用を推奨するものではありません。
兄弟機のP30のレビューはこちら。
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HUAWEI P30 Proの外観
HUAWEI P30 Proは約6.5インチ フルHD+(1,080×2,340)の有機ELディスプレイを搭載。縦横比19.5:9のワイドスクリーンで、発色も良く色彩豊かな映像が楽しめます。
同時期に発売された無印のP30とは異なり、側面が大きくカーブした設計になっているためエッジのスワイプなどがスムーズに行なえます。
その反面、保護フィルム選びが難しくなってしまうのですが…。
ディスプレイ上部には「しずく型ノッチ」のインカメラを内蔵しています。従来機種と比べてノッチのサイズが小さくなり、表示できる通知アイコンの量も増えています。
インカメラを使った顔認証はスピード・精度ともに申し分なく、端末をロックしていることを意識させないのが良いところ。
ディスプレイ下部には画面内に指紋認証センサーを内蔵しています。以前使っていたOPPO R17 neoと比べて認証スピードや精度は格段に良くなりました。これなら実用レベルだと思います。
P30シリーズからナビゲーション操作が代わり、iPhone X系のジェスチャー操作になりました。
下から上にスワイプでホーム、スワイプしたまま画面中央でキープするとタスク切換、左右のエッジから中央にスワイプで戻る操作になります。
この操作が馴染めない場合、設定から従来の3ボタン式やフローティングボタンに変更することも可能です。(写真はHUAWEI P30)
今回お借りしたカラーは「ブリージングクリスタル」です。正面から見ると上部が水色から紫のグラデーションになっていますが、斜めから見ると白や黄色にも見える不思議な色味です。
HUAWEI P30のレビューで試したオーロラカラーも宝石のようにキラキラと輝くキレイな色味だったので、どちらにするか悩みますね。
特徴的な4眼カメラは角に並べて配置し、TOFレンズはレーザーAFやLEDフラッシュライトと違和感なく溶け込んでいます。
レンズが大きく飛び出ているので、背面を背に向けて置くとガタツキが出てしまいます。背面やカメラレンズを守るためにもケースに入れて保護することをおすすめします。
上部には赤外線センサーとマイク。
底面にはSIMスロットとType-Cポート、モノラルスピーカーが並びます。P30にはあった3.5mmイヤホンジャックが廃止されたのは少々残念です。
SIMスロットが底面に移動したため、左側面には何もありません。SIMスロットは裏表でnanoSIMが2枚刺さります。SIM2スロットはHUAWEI独自規格の「NMカード」と排他構造となっています。
右側面にはボリュームと電源ボタン。電源ボタンはオレンジの出っ張りが付いていて、指の感触で押し間違えを防いでくれます。
HUAWEI P20 Proとの比較
私のメイン機でもある、HUAWEI P20 Pro(国際版)と外観を比較してみました。
正面のデザインはノッチのサイズが小さくなり、指紋認証センサーも画面内蔵式に変更されて見た目がすっきりしました。
ベゼルをギリギリまで削って画面サイズを大きくしたことで、さらに縦長のディスプレイになっています。どちらも最大輝度で撮影していますが、P30 Proのほうがより黒が締まって見えます。
背面パネルのグラデーションはどちらも美しいです。光の反射で変化する色合いは非常に高級感があり、使っていて所有欲を満たされます。
レンズの飛び出具合はどちらも同じくらいです。
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HUAWEI P30 Proのスペック
HUAWEI P30 Proのスペックは以下の通り。今回レビューで使用しているのは香港版のメモリ8GB、内蔵ストレージ256GB版です。
本体サイズ | 約73mm×158mm×8.6mm |
---|---|
重量 | 約192g |
カラー | ブリージングクリスタル、ブラック、 海外版のみアンバーサンライズ、パールホワイト、オーロラ |
ディスプレイ | 約6.5インチ フルHD+(1,080×2,340)縦横比19.5:9、画面占有率88.6%、有機EL、HDR10 |
OS | Android 9 Pie / EMUI 9.1 |
CPU(SoC) | HUAWEI Kirin 980 オクタコア(2.6 GHz×2 + 1.92 GHz×2 + 1.8 GHz×4) |
メモリ(RAM) | 6GB (国際版のみ8GB) |
内蔵ストレージ(ROM) | 128GB(国際版のみ256GB / 512GB) |
外部ストレージ | NMカード256GBまで(SIM2と排他構造) |
メインカメラ | Leicaクアッドカメラ 広角 約4,000万画素(F1.6) / 超広角 約2,000万画素(F2.2) / 望遠 約800万画素(F3.4) デュアルトーンLEDフラッシュ / 5x光学ズーム 1/1.7インチ / 望遠レンズ125mm、超広角レンズ16mm |
インカメラ | 約3,200万画素(F2.0) |
バッテリー容量 | 4,200mAh(国内版のみ4,100mAh) |
充電ポート | Type-C USB3.1 GEN1 |
NFC | 国内版のみおサイフケータイ(Felica)対応 |
センサー | 加速度、角速度、地磁気、照度、近接、気圧、指紋、赤外線 |
SIMカード | nanoSIM(国際版のみnanoSIM×2(DSDV対応)) |
通信速度 (受信時 / 送信時) | 988 Mbps/75 Mbps |
通信周波数 | FDD LTE:B1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/ 26/28/32 TDD LTE:B34/38/39/40 WCDMA:B1/2/5/8/4/6/19 TDS:B34/39 GSM:B2/3/5/8(850/900/1800/1900 MHz) |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth® 5.0 BLE(aptX, aptX HD, LDAC HD, HWA Audio対応) |
防水・防塵 | IPX8/IP6X |
OSは最新のAndroid 9.0 Pieを搭載。HUAWEI独自のEMUI 9.1ではジェスチャー動作などがよりiOSらしい雰囲気になり好みが分かれそうです。
端末の処理速度に影響するCPU(SoC)は最新のKirin 980を搭載。メモリは8GB、内蔵ストレージは256GBとフラグシップモデルにふさわしいハイエンド仕様で文句なしに快適です。
これから発売されるドコモ版では、RAM 6GB、内蔵ストレージ128GBなのは少々残念ですが、技適がありおサイフケータイにも対応していて、価格も9万円程度と比較的抑えられています。
ベンチマークソフト結果
スペックを数値化するベンチマークソフト「Antutu Benchmark」「Geekbench 4」「3DBench」のスコアを掲載します。
通常時 | パフォーマンスモード | |
---|---|---|
Antutu Benchmark | 254,219点 | 316,810点 |
Geekbench 4 | シングル:3,215 マルチ:9,698 |
シングル:3,336 マルチ:10,061 |
3DBench | OpenGL ES 3.1:4,047 Vulkan:2,474 |
OpenGL ES 3.1:4,398 Vulkan:4,370 |
パフォーマンスモードを有効にすると、バッテリー消費が大きくなる代わりにスコアが向上しています。体感差はほとんど感じないため、通常時はオフの状態で使用しています。
通常時
パフォーマンスモード時
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HUAWEI P30 Proの良いところ
スペック以外で使っていて感じた、HUAWEI P30 Proの良いところと悪いところをまとめてみました。
- ■良いところ
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- スペックが高く重たいアプリでも動作がサクサク
- バッテリー持ちが良く、超急速充電に対応している
- ノッチが小さく目立ちにくい
- スマホカメラの常識を覆すズーム・マクロ性能
- ワイヤレス充電(qi)に対応。親機として利用できる
パワフルなのにバッテリーが長持ち
HUAWEI P30 Proを使って感じたのは、動作がサクサクでバッテリー持ちが良いということ。
4,200mAh(国内版は4,100mAh)の大容量バッテリーを積んでいるのに加えて、バッテリー消費の激しいアプリを警告してくれたり、使っていないバックグラウンドアプリをタスクキルしてくれます。
長時間使っていてもバッテリー消費が緩やかで、充電切れを気にせず1日使える安心感があります。
一緒に持ち歩いているPixel 3だとモバイルバッテリーが必需品になっていましたが、HUAWEI P30 Proは同じ使い方をしても電池消費が緩やかです。
もし朝に充電し忘れたとしても、急速充電規格のUSB PD(Power delivery)やHUAWEI SuperChargeに対応しているため、対応する充電器やケーブルで充電すれば最大40Wの高出力充電が可能です。
ワイヤレス充電(qi)に対応。親機として利用できる
ワイヤレス充電のqiに対応しており、充電スタンドに”ポン”と置くだけで充電が開始されるのは地味に便利。
スマホを充電する行為を意識せず「スタンドに置いておくだけ」で充電できるのは一度使うと便利さがわかるはずです。
本体の給電以外にもワイヤレスチャージャーの親機として機能し、qi対応のスマホや無線イヤホンを充電することも可能です。個人的には給電効率が悪いのであまり使わないです。
あらゆるシーンでキレイに撮れるカメラ
カメラ性能について詳しくは後述しますが、評判通りの高画質で満足しています。
話題の50倍ズーム性能や真っ暗な場所でも撮れる暗所性能だけではなく、日常の風景の色味やポートレートのボケ感まで本格的な写真をシャッターを切るだけで撮れるのはカメラに詳しくない人にとって扱いやすいです。
HUAWEI P30 Proの悪いところ
- ■悪いところ
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- 本体サイズが大きく重たい
- 画面解像度やスピーカーの音質が残念
- 湾曲ディスプレイや画面内指紋認証で保護フィルム探しが難しい
- microSDではなく独自規格のカードが必要
良いところたくさんある一方で、個人的に残念だったポイントもあります。
大画面化に伴いサイズや重量がアップしている
最初に手に持って感じたのは、大画面化に伴う本体サイズの大きさや重さ。
私は男性にしては手が小さい方なので、6.5インチのHUAWEI P30 Proは大きすぎて片手で届く範囲が限られてきます。
以前レビューしたHUAWEI P30は画面サイズの割にスリムな印象がありましたが、P30 Proでは縦横厚み全て大きくなっているため、持ちやすさに差を感じられました。
本体重量もP30は165g、P30 Proは192gと27gアップしています。数値上では僅かな差ですが、200gに近い重量は長時間使っているとずっしりと重みを感じます。
画面解像度やスピーカーの音質が残念
せっかくの大画面なのでゲームや動画視聴が捗りそうだと思ったのですが、ディスプレイの解像度がフルHD+止まり、スピーカーがモノラルなのは残念なポイントです。
底部に付いたモノラルスピーカーは横持ちしたときに指で塞ぎやすく、音がこもって聞こえてしまうのは微妙です。最近はスピーカーに力を入れたモデルが増えているので次回作に期待したいところ。
湾曲ディスプレイや画面内指紋認証で保護フィルム探しが難しい
HUAWEI P30 Proは側面がカーブした曲面ディスプレイになっており、フィルムによっては端が浮いたり画面全体を覆えないこともあります。
さらに、画面内に指紋認証センサーを内蔵しているため、フィルムの厚みや透過度によっては認証精度や認識率が著しく落ちてしまいます。
保護フィルム・ガラスフィルムを選ぶときは、指紋認証や曲面ディスプレイに対応した製品を選びましょう。G-ColorのTPU保護フィルムはケースとの干渉もなく、タッチ感度や指紋認証センサーの感度が悪くありません。
曲面部分にもしっかりフィットしているのでおすすめです。TPUケースも付いているのでお得です!
詳しいレビューについてはモバイルドットコムからどうぞ。
HUAWEI P30 Proのカメラ性能
HUAWEI P30 Proのカメラは、広角 約4,000万画素(F1.6) / 超広角 約2,000万画素(F2.2) / 望遠 約800万画素(F3.4)に加えて、深度測定用のTOFカメラを搭載。
シーンによってカメラを組み合わせることで、広角や望遠、マクロ撮影など様々なシーンに対応することができます。
AIによる被写体検知機能を備えており、あらゆるシーンで最適な明るさや色味に自動調整してくれる優れもの。前作のP20 Proと比べて色味が自然になり、より使いやすく進化しています。
撮影の難しい暗い場所や逆光などのシーンでも、AIを駆使した手振れ補正と高感度のカメラセンサーによって綺麗に撮影できるとのこと。
百聞は一見にしかずということで、メインカメラで撮影した作例を載せておきます。設定は基本的にオートで撮影しており、ブログ掲載用にリサイズのみ行っています。
元画像が見たい方はGoogleフォトのリンクからご確認下さい。
風景・景色
風景の写真では、ビルのディティールや陰影、空の色や雲の奥行きなどがうまく再現できています。P20 Proでは空の彩度とコントラストを上げすぎて「くどい青」になっていましたが、P30 Proはだいぶ抑えられた印象です。
花・自然
花や自然の色味は、目で見たよりも彩度が高めに写ります。輪郭を強調して印象的な写真に仕上がりました。
食べ物
食べ物を撮影すると「フード」モードになり、明るさとコントラストを上げた暖色寄りになります。P20 Proでは彩度が上がりすぎてメシマズ写真になっていましたが、P30 Proでは自然な色合いになっています。
接写で撮影してもきちんとピントが合ってくれます。
夜景
広い範囲を写せる超広角カメラ
画角の広い超広角カメラは建物や風景の撮影に使えます。通常撮影と比べて1.4倍広い範囲を撮影できるので、旅行やお出かけ中の景色を撮影するのに便利です。
遠くのものも大きく見せる望遠カメラ
光学5倍ズームを使って、カメラ目線の野良猫の写真を撮影してみました。ズームで撮ったと言われなければ気づかないくらい細部まで綺麗に写っています。
デジタルズームと組み合わせたハイブリッドズームは10倍、デジタルズームで最大50倍まで対応しています。細部のディティールを残すなら5倍~10倍が限度だと思います。
実はこれだけ離れて撮影しています。遠くから撮影することで警戒されることなく撮影できました。
HUAWEI P30 Proの50倍ズームの本気を見た。 pic.twitter.com/GshnBNta4D
— とくめい (@tokumewi) July 31, 2019
話題の50倍ズームは使っていて楽しいですが、ズームするだけ画質が落ちていくので使い所があるかは微妙なところです。手ブレも大きくなるため三脚がないと狙った位置を撮るのは難しいです。
50倍までズームすると月まで撮影可能。さすがにここまでズームしてしまうと解像感は落ちてしまいますが、記録用としては十分使えると思います。
まとめ
国内版の発売を今か、今かと待ち望まれるHUAWEI P30 Pro。
前作のP20 Proと比べて不満だった点が解消されてカメラ機能を正当進化させた、使っていてワクワクするスマートフォンです。
自慢のカメラ機能は旅行やお出かけのお供として優秀です。広角・望遠ともに使い勝手がよく、これまで撮影の難しかったシーンでも高画質で残せます。
期待していた50倍ズームは使い所が難しいものの、光学5倍・ハイブリッド10倍ズームは実用レベルの画質で記録できるので重宝しています。
もちろん進化したのはカメラだけではなく、端末のパフォーマンスの向上や便利機能など、使っていてストレスを感じない気持ちよさがHUAWEI P30 Proにはありました。
他社のフラグシップと比べて89,424円という価格はだいぶ頑張ったように思えます。2年後に端末を返却する「スマホおかえしプログラム」を使えば実質59,616円でハイエンドモデルが手に入るのは魅力的だと感じました。
良いところ、悪いところを総合的に見て、多くの人にオススメできるレベルに仕上がっています。カメラ機能でスマホを選ぶなら強くオススメしたい製品です。
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