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RICOH GR3xレビュー:スマホカメラとの共存にちょうどいい40mm画角の単焦点コンデジ

ミラーレス一眼のFUJIFILM X-S10を購入してから約2年が経ち、ブログ用の物撮りや旅行の思い出を残すのに重宝しています。

色々とレンズも買い漁って趣味で楽しんでいますが、いかんせんカメラが重くて「今日は写真を撮るぞ!」と意気込む日にしか持ち出していません。

スマホでもある程度綺麗には撮れるものの、ミラーレスで撮るのとでは画質やボケの量が気になります。ふとした瞬間にカメラ持ってくれば良かったと思うシーンも多く、いつでも気軽に持ち出せるカメラが欲しくなりました。

「いつもカバンやポケットに入るカメラがあればな~。」と考えた結果、APS-Cセンサーのコンデジ「RICOH GR3x」を購入しました。スマホと2台持ちにちょうどいい「40mm画角」の単焦点レンズを搭載したコンパクトなカメラです。

新品価格は11万円オーバーとコンデジにしては高級ですが、運良く中古品が9万円台で売っていたので即座に飛びつきました。2023年1月11日(水)から値上げされるみたいなので、買うなら今しか無いですよね。

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RICOH GR3xを開封。本体外観をチェック

箱の中身はRICOH GR3x本体、バッテリー DB-110(本体装着済)、ハンドストラップ、ACアダプタ、USBケーブル(USB Type-A to C)が入っていました。

RICOH GR3xの見た目は、つや消しのブラック一色の無骨なデザイン。シボ加工のある大きめのグリップが特徴的で、右下にはGRのロゴが刻まれています。

全体的に凹凸が少ないフラットなデザインで、カバンやポケットに引っかかりにくいのが良いですね。

本体サイズは約109.4(幅)×61.9(高)×35.2(厚)mm、重量がバッテリーとSDカード、ストラップ込みで約265gと小型軽量でありながら、ミラーレス一眼に採用されるAPS-Cセンサーを搭載していることが最大の特徴です。

ちなみに、レンズ外周のリングは取り外し可能です。

RICOH GR IIIxの製品登録とアンケートに回答するとパープルのリングが手に入ります。アルマイト仕上げのアルミ合金製のリングは、デザインのいいアクセントになりますね。

背面には3.0型のディスプレイを搭載。ディスプレイの左上には「RICOH」のロゴが控えめに印字されています。チルトやバリアングルではない固定式なので、ローアングル・ハイアングルでの撮影や自撮りには向いていません。

撮影時に必要となるシャッタースピード、絞り、ISO、露出補正のボタンが右手で操作できるように配置されています。

モード切り替えはダイヤルの側にあるボタンを押しながら行います。コンパクトな筐体ながら操作性は良好だと感じました。

左側面には静止画と動画の切り替えボタンがあり、ここを長押しすると撮影したデータをWi-Fi接続でスマホに転送できます。

メニュー操作は上下左右に動かすカーソルキーやホイールのほか、ADJ.レバーやタッチパネルを使った操作も可能です。タッチパネルのレスポンスも早く、使っていてストレスを感じません。

本体天面にはクイックシューがあり、外付けファインダーや照明などを取り付けられます。コンパクトさが犠牲になるので、筆者はそのままの状態で使っていこうと思います。

本体底面には三脚穴とバッテリー、SDカードスロットがあります。

三脚穴は光軸上から右にズレた場所に配置されており、三脚を付けるとバッテリーの蓋が開かなくなるので要注意。

RICOH GR3とスペックを比較

焦点距離以外ほぼ同じ見た目・スペックの「RICOH GR3」との比較がこちら。詳しいスペックはRICOH公式サイトからご確認ください。

RICOH GR3 RICOH GR3x
発売日 2019年3月15日(金) 2021年10月1日(金)
レンズ構成 4群6枚(非球面レンズ2枚) 5群7枚(非球面レンズ2枚)
焦点距離・F値 18.3mm (35ミリ判換算で約28mm相当)、F2.8~F16 26.1mm (35ミリ判換算で約40mm相当)、F2.8~F16
撮影距離範囲(レンズ先端から) 標準:約0.1m~∞
マクロモード:約0.06m~0.12m
標準:約0.2m~∞
マクロモード:約0.12m~0.24m
クロップ 35mm、50mm、オフ 50mm、71mm、オフ
本体サイズ(操作部材、突起部を除く) 約109.4(幅)×61.9(高)×33.2(厚)mm 約109.4(幅)×61.9(高)×35.2(厚)mm
重量(バッテリー、SDメモリーカード含む) 約257g 約262g
ディスプレイ 3.0型TFTカラーLCD (アスペクト比3:2)、約103.7万ドット 3.0型TFTカラーLCD (アスペクト比3:2)、約103.7万ドット
センサーサイズ APS-C APS-C
有効画素数 約2,424万画素 約2,424万画素
ISO感度 ISO100~102400 ISO100~102400
手ぶれ補正 撮像素子シフト方式 (Shake Reduction)(3軸補正) 撮像素子シフト方式 (Shake Reduction)(3軸補正)
充電端子 USB Type-C USB Type-C
記録媒体 内蔵メモリー(約2GB)
SD/SDHC/SDXCメモリーカード(SDHC、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応)
内蔵メモリー(約2GB)
SD/SDHC/SDXCメモリーカード(SDHC、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応)
記録形式(静止画) ファイル形式:RAW (DNG) 14bit、JPEG (Exif2.3準拠)、DCF2.0準拠
色空間:sRGB、AdobeRGB
記録サイズ:
【3:2】L(24M:6000×4000)、M(15M:4800×3200)、S(7M:3360×2240)、XS(2M:1920×1280
【1:1】L(16M:4000×4000)、M(10M:3200×3200)、S(5M:2240×2240)、XS(1.6M:1280×1280)
記録方式(動画) ファイル形式:MPEG4 AVC/H.264 (MOV)
記録サイズ:Full HD (1920×1080、60p/30p/24p)、
音声記録: 内蔵ステレオマイク
記録時間: 最大4GBまたは最長約25分、内部温度上昇時は自動終了

28mm相当のGR3と、40mm相当のGR3x

RICOH GR3は、初代から続く35mm換算28mm相当の画角です。iPhoneの広角カメラと大体同じくらいの画角で、スマホカメラと同じ感覚で撮影できます。

これに対して、RICOH GR3xは40mm相当とやや狭い画角になっています。広角レンズの28mmと比べて歪みが少なく、テーブルフォトなどでも撮影しやすい画角です。

筆者はミラーレスのX-S10でも換算50mm付近のレンズを使うことが多く、40mmはそれよりも広く写って撮りやすいと感じました。大きな建物や風景などを撮るときは、全体を写すよりも一部をクローズアップして切り取るような撮り方になります。

単焦点レンズなのでズームはできませんが、写真の一部をクロップして50mm、71mm相当にすることもできます。画像サイズは小さくなるものの、元が約2,424万画素あるのでWEBにアップする用途なら必要十分です。

もしクロップが嫌なときは、別売りのテレコンバージョンレンズを装着することで、クロップせず焦点距離を75mmまで伸ばすことができます。

RICOH GR3xの作例

作例と呼べるほど良い写真は撮っていないですが、旅行先などで撮った写真を載せておきます。設定は「AVモード(絞り優先)」でF値と露出のみ調整しています。

機動力を活かして、旅行中に気になったものを片手でパシャパシャ撮り歩くスタイルが良かったです。

モノクロの写真はイメージコントロールを「ハードモノトーン」「ハイコントラスト白黒」に変更しています。

手ぶれ補正の力で夜のスナップも結構行けます。

RICOH GR3xで撮影頻度の高いテーブルフォト。スマホカメラと同じ感覚で撮影しても画質の良さに驚きます。40mm画角で撮ると自分の影が入らないのもいいですね。

RICOH GR3xのメリット

■メリット
  • 手のひらサイズでいつでも気軽に持ち運べる
  • 起動速度が速くてすぐ撮れる
  • クロップで50mm、71mmの画角にもできる
  • マクロモードで被写体から12cmまで寄れる
  • 3軸手ブレ補正とNDフィルターを搭載

手のひらサイズでいつでも気軽に持ち運べる

RICOH GR3xは、手のひらにすっぽり収まるサイズ感が最大の魅力。小さなカバンやTシャツの胸ポケットに入れて持ち運べます。使っていて細かい不満はあれど、この画質と携帯性の良さで他に選択肢がなくなります。

友人との食事や飲み会でGR3xを持ち出していますが、コンパクトな筐体は狭いテーブル席でも扱いやすく、40mmの画角はテーブルフォトでも相性抜群でした。程よい距離感で料理の写真や友人との思い出を残せます。

今まで使っていたFUJIFILM X-S10と比べるとこんな感じ。同じ焦点距離の「XF27mm F2.8」のパンケーキレンズとハンドストラップを付けると575gになります。

FUJIFILM X-S10もミラーレス一眼にしてはコンパクトな部類ですが、それよりも一回り小さくて半分の重さになりました。ファインダーの軍艦部分やレンズの出っ張りがないので、カバンへの収まりも良いのがコンデジのメリット。

起動速度が速くてすぐ撮れる

ミラーレスを使っていたときはレンズキャップを外す一手間があり、突然起きたシャッターチャンスに対して「撮ろうかな?」と一瞬考えることが多々ありました。

RICOH GR3xの起動時間はわずか0.8秒。電源ボタンを押すだけですぐに起動し、電源オフの操作も一瞬です。撮影する一連の流れがスムーズになることで、今まで以上に撮影枚数が増えました。

クロップで50mm、71mmの画角にもできる

RICOH GR3xは単焦点レンズを搭載しているため、デジタルズームではなくクロップで50mm、71mmの画角に対応します。

私はFnボタンにクリップ機能を割り当てて使用しています。クロップするほど画素数は少なくなりますが、どうしてもこれ以上足で寄れないときにあると便利です。

マクロモードで被写体から12cmまで寄れる

標準モードの最短撮影距離は20cmまでですが、マクロモードを使うことで最短12cmまで寄って撮影できます。前述したクロップと組み合わることで、小さな被写体でも大きく写せるのが便利でした。

モードの切替は手動で行う必要があり、近接撮影のときに切り替える手間はやや面倒に感じます。スマホみたいに自動で近接撮影を検出できる機能があれば良かったのですが…。

3軸手ブレ補正とNDフィルターを搭載

RICOH GR3xは、コンパクトなボディながらセンサーシフト式3軸手ブレ補正とNDフィルターを搭載しています。

手ぶれ補正については、28mmの広角レンズを搭載したGR3では必要性はそこまで感じなかったものの、やや望遠よりになった40mmのGR3xではあると嬉しい機能です。夜間のスナップ撮影時の安心感が違いますね。

NDフィルターは約2段分の減光効果があり、日中の屋外で明るい時間帯でも長秒露光で撮影が楽しめます。人物が流れるような表現をしたり、滝の水が流れるような写真に仕上がります。

RICOH GR3xのデメリット

■デメリット
  • ファインダーなし+ディスプレイが固定式
  • バッテリー持ちはあまり良くない
  • 暗所ではAF性能がイマイチ
  • 動きモノの撮影には向いていない
  • 動画撮影はスマホのほうが綺麗に撮れる

ファインダーなし+ディスプレイが固定式

RICOH GR3xは、ディスプレイが「固定式」かつ「ファインダーなし」の割り切った仕様になっています。

画面を上下に動かすことができる「チルト式」や、横に開く「バリアングル式」などを採用すると、本体が厚く重たくなるのであえて採用しないのだと思います。

確かにどちらもあると便利ですが、片手で取り回しやすいサイズを犠牲にしてまでは必要ないと思っています。直射日光の下だと画面が見にくいときは日陰や屋内に移動して見ることが多かったです。

電池持ちがイマイチ

RICOH GR3xは小さなバッテリーを使っているため、電池持ちがあまり良くありません。
1日ガッツリ撮影に出かけるときは、予備バッテリーを複数用意してローテーションするか、USB Type-Cから直接充電しています。

USB Type-Cから充電できるのは有り難いですが、USB端子のカバーが硬めで開けにくいのが気になりました。頻繁に開け締めすると取れそうな感じがします。

私は本体とは別に非純正の互換バッテリーと充電器を購入しました。バッテリーと充電器のセットで約2,000円ほどと純正の半額以下で購入できます。

購入から数ヶ月使っていますが、今のところ特に問題なく使えています。トラブルが起きた時に自己責任になるのでここではオススメしません…。

暗所ではAF性能が悪い+動きモノの撮影には向いていない

暗所での撮影ではAFが迷いやすく、どれだけ頑張ってもピントが合わないシーンがありました。街灯が一つもない真っ暗な状況ではなく、ビルの街灯などがある場所でも想像よりピントが合わない印象です。

APS-Cセンサーなので高感度にも強いかと思いきや、ISO感度が上がるとノイズが発生しやすく、細部が潰れてしまってあまり綺麗に撮れないのは残念です。他社のカメラよりも苦手とするシチュエーションだと感じました。

その他にも、動きの速い被写体を追っかけて撮るのも苦手です。シャッター半押しで被写体へピントを合わせ続ける「追尾AF」機能はありますが、前後左右に動き回る動物などではピントを外すシーンが多かったです。

動画撮影はスマホのほうが綺麗に撮れる

最初から期待していないものの、RICOH GR3xで動画撮影はあまりオススメしません。動画では電子式手ぶれ補正しか効かず、カメラを固定していないとブレブレになります。

さらに、画質はフルHD(1920×1080)60fpsまでしか撮れず、シャッタースピードなどは調整できないようでした。車窓などを撮っているとピントを外したまま戻ってこない事がしばしば…。

RICOH GR3xの色味や大きなセンサーを活かして撮りたいとき以外は、iPhoneなどスマホで撮ったほうが綺麗に撮影できます。静止画を撮ってる合間に少し動画を撮るようなオマケ機能として考えたほうが良さそうです。

まとめ

RICOH GR3xは、撮影のハードルを極限まで下げてくれる理想のスナップシューターでした。ミラーレスカメラのサブ機として使ったり、スマホカメラからステップアップしたい人にオススメします。

小型化の代償として「ファインダー非搭載」「ディスプレイが固定式」「動画機能が弱い」などの不満はありますが、残したい景色を片手でサッと撮るには最高のカメラです。

人物撮影のときも大きなカメラだと身構えてしまいますが、コンデジならあまり緊張せずラフに撮れるのも買って良かったと思えるポイントでした。RICOH GR3xは、スマホとミラーレス一眼の間を埋めてくれるちょうどいい存在です。

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writer : 鹿
このブログを管理している鹿。Webデザインとガジェットが好き。