【2017年2月版】格安SIM（MVNO）20回線の通信速度比較　UQ mobileの速度が復活、ついにLINEモバイルの速度が落ちる。

格安SIMではMNOと比べて料金が安くなる反面、デメリットとして挙げられるのが通信速度が遅いという話。

毎日のように値下げが繰り広げられるMVNO市場ですが、格安SIMの事業者を選ぶ上で最も重要なのは通信速度だと思っています。せっかく大量に契約しているSIMカードを有効活用するために通信速度の測定を定期的に行っています。

測定環境・条件

格安SIMでは測定する条件によって大きく速度が異なってきます。測定端末や測定時間が完全に同一ではなく、あくまでも私が測定した環境での結果なので参考程度に見てください。

あえて混雑しやすい時間帯を選んで測定しているので「混雑時にどれだけ通信速度を保てているか」を見てもらえるとMVNOの信頼度や通信速度の安定感がより分かってくると思います。

参考用にワイモバイルも含めていますが、ワイモバイルはほとんどMNOのようなものなので基準としてみてください。なるべく時間を短縮するためにデュアルSIM端末でSIMを入れ替えながら切り替えて使用しています。

今月から色々とSIMを入れ替えています。U-mobile Premiumを通常のU-mobileとU-mobile MAXに、nuroモバイルに5時間プランを追加、イオンモバイルにタイプ2を追加、エキサイトモバイルを追加など合計20枚のSIMカードを使って通信速度を測っていきます。

また、今年1月から試験的にSpeedtest.netから4GMarkというアプリに切り替えてみました。

このアプリは通常のスピードテストに加えて、YouTube動画の再生やウェブサイトの読み込み速度を数値化してくれる素晴らしいアプリです。以前から楽天モバイルやFREETELなどで起こっている「スピードテストは速いのに体感速度は遅い」という問題もチェックできると思います。完全テスト（Full Test）は通信量が多く、複数回測定すると直近3日間制限に引っかかるSIMがあるため時間帯ごとに1発勝負にしています。

朝8時～9時での測定結果

朝の通勤前の時間帯で測定すると、どのSIMも速度が安定して出ているため快適に使えました。ワイモバイル・IIJmio Dプラン・BIGLOBEが20Mbpsを超えて絶好調なのに対し、LINEモバイルの速度が落ちてきています。0SIMに至っては接続が何度もタイムアウトして計測が大変でした。

新しく追加したnuroモバイルとU-mobile MAXはこの時間帯にしては微妙な数値でした。せっかく大容量が使えるプランなのでこの速度では少々物足りなさを感じます。

昼12時～13時の測定結果

お昼のランチタイムでの計測。この時間帯はどの会社も通信速度が落ちやすく、ここでどれだけスピードが出るかによって会社の傾向が分かれてきます。

ここ数ヶ月のうちにUQ mobileの速度が徐々に回復してきており、以前の爆速をキープし続けています。上りが若干遅い事以外はサクサク快適に読み込みます。IIJmioAプランやエキサイトモバイルもそこまで速くはないものの、混雑時にこれだけ出ていたら合格点でしょう。

イオンモバイルもタイプ1とタイプ2で結構差が出ていました。

夜19時～20時の測定結果

夜は帰宅後のスマホタイムで動画視聴などによって通信量が増えてくる時間帯。通信速度が遅いとイライラしやすいのでなるべく速いSIMを選んでおきたいところ。

夜は安定のワイモバイルとUQ mobile、IIJmioAプランが首位を獲得。LINEモバイルは2Mbps後半とイマイチ伸びませんでした。今回の測定では全体的に速度が低下しています。

測定結果を踏まえた感想と今月のオススメSIM

UQ mobile

今回再び首位に返り咲いたUQ mobile。KDDI、沖縄セルラーの子会社ということもあり他のMVNOと比べるとちょっとズルい存在でもありますが、一般ユーザーはそんなこと気にしません。

速度が遅くなりがちなお昼の時間帯でも、下り10Mbps以上安定して出しているのでかなり快適です。

最近は5分通話定額がセットになったぴったりプラン（たっぷりプラン）を推しています。通信速度含めキャリアと大差ない使い勝手で人気のある会社です。

UQ mobileの詳細についてはモバレコでも寄稿しているので良かったら合わせてご覧ください。

ワイモバイル

格安SIMのようにキャリア回線の間借りではなく、ソフトバンクと同じ回線品質を利用できるのが強みです。ワイモバイルでは格安SIMと名乗っていますが、実際のところはソフトバンクと変わらない純キャリア回線ですね。

今回の測定でも分かる通り、一日を通してぶっちぎりのトップをキープしています。お昼の時間帯に至っては40Mbps以上でグラフがカンストしています…。

また、Yahoo!プレミアム会員限定でワイモバイルのデータ通信専用SIM（1GB）が月額540円で持てる「ワイモバイルSIMスターターキット」も用意されています。非会員だと月額1,058円にアップしてしまうので、プレミアム会員費+特別価格の方がお得です。

IIJmio

今でも1日を通して安定して使えているのがAプラン。いずれ遅くなると言われて数ヶ月経過しましたが、極端に遅くなることもなく使い勝手がいいSIMです。Dプランも最近少しだけ速度が回復しており、ここ最近はメインで使っている回線です。

mineo

フリータンク周りで一時期騒がれていたmineo。助け合いを元に作られたフリータンクも蓋を開けてみると引き出すユーザーばかりだったという話がありました。mineo側も毎月1GBもらえる！と広告を出していたことも発覚して騒ぎが大きくなっていましたね。

今までに「1GBもらえる」というプロモーションを行ったならばmineoに大きな責任があるのではありませんか？その責任を一切取らず、「パケットを補給することはない」として我々ユーザーに全て押し付けてしまうのは虫の良い話です。今回についてはmineoの責任としてパケット補給を行うべき pic.twitter.com/MLlvStAzKW

— とくめい🦌 (@tokumewi) January 29, 2017

mineoの通信速度はイマイチですが、パケットシェアやパケットギフトで誰とでもパケットをシェアできるシステムは、他社にはない素晴らしいシステムだと思います。他のeoIDの方とパケットを送り合うことで通信料を半永久的にパケットが繰り越せるのはありがたいです。

mineoについて興味がある方はモバレコでレビューした記事も合わせてご覧ください。

nuroモバイル / 0 SIM

nuroモバイルは朝は問題なく通信できますが、昼～夜にかけて速度が落ちてきます。直近3日間制限も「高速通信容量の12%（制限中もカウントされる）」とかなり厳しいのでメイン回線には向かないです。

今回新たに契約した5hプランもまだ動きがよくわかっていないので、速度が遅いときは高速通信中と判定されていない可能性もあります。これからガンガン使ってみてどんな制限があるのか確かめて見たいと思います。

2017年2月28日までにnuroモバイルを契約すると「5ヶ月間700円引きキャンペーン」が適用されて、初月無料、2～7ヶ月目まで700円引きで利用できてお得です。

0SIMの詳しいレビューはモバレコさんに寄稿した記事をご覧下さい。

LINEモバイル

LINEやTwitter、Facebook、Instagramの通信量をカウントしない「カウントフリー」のおかげで通信量が全然消化されません。初心者にもサポートが充実しており今一番オススメの格安SIMです。

今回の測定からついに速度低下の予兆が見えてきました。今でも他社と比べるとそこまで極端に遅いわけではないですが、これまでの爆速と比べるとちょっと残念な感じに。これを公式も把握しているらしく、Twitterではこんな意見も出ていまいた。

回線については常に注視しています。増速工事については、月2-3回程度実施しています（今月はあと10日以内に実施予定）。事業スケジュール上、増速工事予定をたてるのと実際の工事までに1カ月程度タイムラグがありますが、一切増速工事対策をしないということは（続く

— LINEモバイル (@LINEMOBILE_JP) February 7, 2017

（加入者の伸びに対してどの程度の増速をするか／予測精度の程度はあるにしろ）、モバイル通信事業者としてありえません ^^

— LINEモバイル (@LINEMOBILE_JP) February 7, 2017

と同様、出来る限り他の事業者様も提供されていて、ニーズが高いものに関しては、”LINEモバイルらしく"提供できるよう、検討を続けて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

— LINEモバイル (@LINEMOBILE_JP) February 1, 2017

応援の言葉有難うございます。一般の方の実用に問題のない速度のバランスをとるように常時注視しています（実用以上の水準だとこの価格でのご提供が難しいことも事実です…）。なお、増速工事は2回／月最低でも行っています。どうぞ宜しくお願いいたします。

— LINEモバイル (@LINEMOBILE_JP) February 1, 2017

詳しいレビューは過去の記事をご覧ください。今一押しの格安SIMです。

FREETEL 使った分だけ安心プラン

最近は通信速度の低下が著しいFREETEL。過去の爆速宣言はどうなったのか気になるところですが、今選ぶには微妙な会社です。

自社で開発（といっても中国のOEM）した端末を販売して回線とセットで販売しているところは応援したいところですが、いかんせん会社がソフトバンクのような商法をするもんですから手放しに褒められないという…。

以前はスピードテストだけ速い「スピードテストブースト」を行っていた疑惑もあるため、この回線をメインにするのはおすすめできません。SNSなどを中心に行うサブ回線に向いています。カウントフリー機能もありますからね。

ロケットモバイル

ロケットモバイルは低速通信（200kbps）専用の「神プラン」が人気で、データ通信専用プランなら月額321円という圧倒的な安さで注目を集めています。また、独自のポイントシステムにより、会員登録やアプリダウンロードなどによってポイントを貯めて月額料金の割引に当てる事ができるのも特徴です。

以前はもう少し速かったものの、今は朝以外だと下り1Mbpsを切ることも多く遅いと感じることも増えてきました。

U-mobile / U-mobile MAX

U-mobile Premiumを解約して2ヶ月無料トライアルで契約したU-mobileと、寄稿記事用に契約した月25GBまで使えるU-mobile MAX。通信速度については概ね評判通りであまり良くありません。U-mobile MAXについてはせっかくの大容量なのでもう少し頑張って欲しいところ。

 

イオンモバイル

新たにタイプ2を契約して比較してみたところ、お昼のとき以外はそこまで大差がなかったです。むしろタイプ1のときが速かったりするので、わざわざ乗り換える必要はなさそうですね。まだ契約して数日なのでしばらく使ってみて様子見したいと思います。

エキサイトモバイル

実は先月から使っているエキサイトモバイル。BBエキサイトからリニューアルして利用者もまだ少ないみたいで、結構速度が出ていました。といってもお昼のピーク時は日によって詰まるときもあったので安定しているとは断言できない感じ。現状お昼で6Mbps近く出ているなら優秀な方ですね。

楽天モバイル

楽天モバイルは以前にも増して混雑時の速度が厳しくなっています。0SIMのようにほとんど通信できず画像の読み込みすらつらい状態です。使いすぎて直近制限にでも引っかかったのでは？と勘違いするレベルなので端末目当てな方以外はおすすめできません。

最近はモバレコで楽天モバイル関係の記事を多く書くようになりましたが、端末のラインナップやオプションとか見ていると悪くないんですよね。問題は通信まわりですよ。

https://creatorclip.info/2016/11/rakuten-mobile-account-to-transfer/
https://creatorclip.info/2015/12/rakuten-mobile-new-apn/

BIGLOBE

YouTubeやAbema TVなどが観放題になるカウントフリー・オプションで人気を集めるBIGLOBE。朝は爆速で動画視聴も快適に行なえますが、お昼過ぎから夜まで混雑時に弱く一気に遅くなってしまいます。

以前はお昼時でもある程度見れる速度が出ていましたがここ数ヶ月はずっと遅いままです。

https://creatorclip.info/2016/10/biglobe-entame-free-option/
https://creatorclip.info/2015/11/biglobe-sim-lite-s-plan-review/

モバレコさんでも詳しくレビューしているので良かったら見てください。

https://mobareco.jp/a85229/
https://mobareco.jp/a90431/

全測定結果

最後に全測定結果を載せておきます。スマホだと縦に長いのでPCから見たほうが比較しやすいかも。