「HUAWEI Mate 10 Pro」レビュー。AIやトレンド機能を取り入れた今期最高のフラグシップモデル
2017年12月1日(金)に発売された「HUAWEI Mate 10 Pro」を某社からお借りすることが出来たのでレビューしていきます。
これまでのHUAWEI製品は、低価格でも本体の質感や性能が優れていて「コスパが良い」と人気がありました。今回の「HUAWEI Mate 10 Pro」は最新機能・性能を惜しげもなく詰め込んだフラグシップモデルのため、税込96,984円(執筆時点)と高額になっています。
触る前ははっきり言って「高い!」と感じましたが、実際に手にしてしばらく使ってみると値段も納得のいくクオリティでした。高いなりに良い物ならコスパも悪くないです。
現在メインで活用中のGalaxy S8と比較しつつ、HUAWEI Mate 10 Proの魅力を写真多めで紹介します。ページ後半では元画像をそのまま掲載するため、ページ容量が重たくなっています。Wi-Fi環境での閲覧推奨です。
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デザインの特徴を上手く取り入れたパッケージ
真っ黒な箱に金色の型押しでロゴが印字されています。端末のアクセントにもなっているヘアライン加工がパッケージにも施されており高級感がありますね。
箱を開けるといきなり本体とご対面。開封済みのためフィルムなどはなし。新品で購入した時は傷や汚れ防止のためにペリペリが付いています。
その下には充電器やケーブル類、SIMピンや説明書・保証書などが入っています。
個人的に嬉しかったのが、しっかりとしたケースが付属しているところ。
純正ということもありフィット感は抜群に良いです。端子類の穴の位置やボタンの押し心地も良く、単体で購入すると1,000円以上しそうなTPUケースです。
本体デザインをチェック
6インチでも縦長設計で持ちやすい本体
HUAWEI製品初となる縦横比18:9のワイドスクリーンを搭載し、6インチの大画面を搭載しつつ狭額縁設計で持ちやすくしています。画面幅だけで見ると5.5インチのスマホに近いサイズです。
他のディスプレイよりも縦に長い分、マルチウィンドウなどの作業が捗ります。上でYouTubeを再生しつつSNSの閲覧が1番使いやすい。
有機ELディスプレイで色鮮やか、かつ黒の再現性が高くメリハリの有る色彩を表現できます。
同じく有機ELディスプレイを搭載したGalaxy S8と比べると、発色などは明るさで見劣りしてしまいます。画面解像度もGalaxy S8の方が高精細なものの、肉眼で見てもそこまで明確な差は感じられません。
左右だけではなく上下の縁も細くなり「画面だけを持っている感覚」を味わえます。
手に持ってみるとこれくらいのサイズ。男性なら画面全体の3分の1~半分程度は片手操作できそうです。女性や手の小さな男性だと両手操作が前提になるかも。
本体サイズ・重量は画面サイズに比例して大きく重たいです。落ち着いた色味や大きさからターゲットは男性利用を想定していそうですね。
HUAWEI Mate 10 Proは画面が傷付きやすい?
暫くフィルムを貼らず裸で使っていたところ、画面に数か所の傷が付いてしまいました…。
他のスマホ同様に使っていましたが、他のスマホと重ねて持ったり雑にカバンに入れてしまうと案外あっさり傷が付きます。こうなる前に早めに対策をしておくことをオススメします…。
鏡面仕上げの背面パネルが高級感を出している
気を取り直して背面をチェックしてみます。
右側面に電源ボタンと音量キーを搭載。電源ボタンはP10同様にザラザラした質感で押し間違えを防いでくれます。
背面は鏡面仕上げのガラスパネルを採用。鏡のように景色を反射し、光の当たり方によって青の色味が変化していくのが最高にカッコイイです。
光沢のあるガラスパネルのため触ると指紋や汚れが目立ちます。裸のまま使いたいところですが、傷や汚れは付けたくないので仕方なくケースを付けます。
背面上部にはLeica監修のダブルレンズカメラ。2,000万画素のモノクロと、1,200万画素のカラーの2種類搭載しています。後ほど寄稿する記事でいくつか作例を載せる予定です。
そのカメラを強調するようにストライプ模様がデザインのアクセントになっている。最初見た時は違和感がありましたが、使っていくうちにかっこよく見えてきます。
よく見るとレンズが僅かに出っ張っているため、先ほど紹介したケースを付けて傷防止をした方がいいかも。
左側にはLEDフラッシュライト、レンズの下に指紋認証センサーを内蔵しています。Galaxy S8と比べて指紋認証センサーの位置が指の届きやすい位置にあるため非常に使いやすい。
日本未発売のMate 10のように「指紋認証センサーは前面にある方が使いやすい!」という方も多いはず。
これまでのHUAWEI製品同様に、多少雑に指を置いても爆速かつ正確に読み取ってくれます。コレに慣れるともう他の端末を使うのがちょっと面倒になるほど。
左側面にnanoSIM×2を挿入できるSIMスロットを内蔵。防水機能に対応したことで、ゴムパッキンが付くようになりました。VoLTEにも対応しているため、複数回線を所持している方は便利に使えそうです。
au回線については非対応となるためご注意下さい。
※ 本端末はKDDIの移動体通信網を利用した通信サービスには対応しておりません。それらの通信サービスのSIM でのご利用については、当社では一切の動作保証はいたしませんので、あらかじめご了承ください。
SDカードスロットは非搭載ですが、内蔵ストレージが128GBもあるのでよほど大量にデータを入れなければ容量不足に悩まされる心配もないでしょう。
背面から側面にかけて滑らかにカーブした本体
サイドから背面にかけて滑らかにカーブを描くフォルムは、見た目の美しさだけではなく手に馴染む絶妙なフィット感にも貢献しています。
Galaxy S8にはある3.5mmイヤホンジャックが無くなったため、有線接続するにはUSB Type-Cから変換コネクタを噛ませて使用しなければいけません。
最近はBluetoothイヤホンの利用が増えているとはいえ、まだまだ有線接続が人気ですよね。完全に無くすには少々早すぎたようにも思えます。
こうして見てみるとGalaxy S8とHUAWEI Mate 10 Proの横幅の差が大きく見えますね。幅68mmと74.5mmなので持ち心地も大きく変わってきます。
右側面に電源ボタンと音量キーを搭載。電源ボタンはP10同様にザラザラした質感で押し間違えを防いでくれます。P10では色が変わっていましたが、Mate 10 Proでは本体と同じ色になっていました。
HUAWEI Mate 10 Proのスペック
公式サイトを参考にHUAWEI Mate 10 Proのスペックを表にまとめました。
本体カラー | ミッドナイトブルー、チタニウムグレー |
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本体サイズ | 約154.2×74.5×7.9mm |
本体重量 | 約178g |
OS | Android. 8.0 Oreo / EMUI 8.0 |
CPU | HUAWEI Kirin 970 オクタコアCPU (4 x 2.36GHz A73 + 4 x 1.8GHz A53) i7 コプロセッサ / Mali-G72 12コア GPU NPU: Neural Network Processing Unit |
ディスプレイ | 約6.0インチ フルHD+(2,160×1,080)402ppi / 1670万色 HUAWEI FullView Display 18:9 OLED 色域(NTSC): 112% / コントラスト: 70000:1 |
メモリ(RAM) | 6GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 128GB |
バッテリー | 4,000mAh(一体型)/ 急速充電対応(5V/2A or 5V/4.5A or 4.5V/5A) |
メインカメラ | 1,200万画素カラーセンサー + 2,000万画素モノクロセンサー F1.6 / 光学手振れ補正 / デュアルLEDフラッシュ / 2倍ハイブリッドズーム 像面位相差 + コントラスト + レーザー + デプス AF / 4K動画撮影 |
インカメラ | 800万画素 (開口部 F2.0, FF) |
SIMスロット | nanoSIM×2(DSDS対応) |
防水・防塵 | IP67等級 |
センサー | 加速度 / コンパス / ジャイロ / 環境光 / 近接 / HALL / 指紋認証 / 気圧 / 赤外線リモコン |
通信方式 | FDD LTE: B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/26/28/32 TDD LTE: B34/38/39/40/41(2545-2655MHz) 受信時 2CCA/3CCA 対応 WCDMA: B1/2/4/5/6/8/19 TD-SCDMA: B34/39 GSM: 850/900/1800/1900MHz セカンダリーSIM: LTE, WCDMA, GSMの上記周波数 |
本体付属品 | USB-Cハイレゾイヤホン / USB-C to 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ / クリアケース / ACアダプタ / USBケーブル ( A to C ) / クイックスタートガイド |
OSは最新のAndroid 8.0 Oreoを搭載し、EMUIも8.0になり操作性が向上しています。最新CPU「Kirin 970」を始め、6GBのRAMによりAndroidスマホ史上最強の性能を誇ります。
microSDカードには非対応ですが、その代わりに内蔵ストレージが128GBもあるためデータ容量に困ることも少ないはず。写真や動画データの同期はGoogleフォトなどのクラウドストレージで管理するといいでしょう。
バッテリー容量が4,000mAhと現行機種の中ではかなり大容量です。Android 8.0 Oreoの省電力設計と相まってバッテリーは通常使用で1.5日~2日は持ちました。
急速充電にも対応しているので、短時間の充電で一気に回復できます。
ベンチマーク結果
参考までにAntutu Benchmark結果とGeekbench 4を回した結果も載せておきます。Antutu Benchmarkは178,230点、Geekbench 4は6,780点とどちらも高得点を叩き出しました。
ベンチマーク結果が全てではないですが、今まで利用してきたAndroidスマートフォンの中ではトップクラスに性能が良いです。スコアだけ見るとSnapdragon 835とほぼ互角の性能ですね。
しかし、メジャーなSnapdragon系と比べてアプリ側のサポートが遅れる傾向があり、この性能をフル活用できないことも多いです。過去にデレステもサポートが遅れてジャギーが目立つこともありました。
現在のデレステはKirinをサポートしているので、3Dリッチでぐりんぐりん動かしても滑らかに動きます。3DリッチでMaster曲をプレイしても、ノーツの遅延や動きの滑らかさも特に変わらず。
ただし、高画質設定にしてしまうと動きの激しいシーンでガックガクになります。MV再生にしても同様なので今後の課題でしょうか。
HUAWEI端末にもついに防水・防塵性能が付いた!
本機種からiPhone 7/8などと同程度の防水性能が付いたため、雨の中使用しても全く問題ありません。ただし、国産機種とは違ってIP67等級のため過度な期待は禁物。
参考までに日新産業のページでIP67の目安となる使用例を載せておきます。
防塵性能については1番高い「粉塵が内部に侵入しない」レベル、防水性能については「水中に浸漬しても有害な影響を受けない」レベルとのこと。あくまでも目安のため、実際に試すのは自己責任でお願いします。
AI機能により更に進化したダブルレンズカメラ性能
HUAWEI Mate 10 Proを語る上で外せない「ダブルレンズカメラ」をチェックしてみましょう。
AIを活用して被写体に最適な色味・コントラストを瞬時に判断し、何も考えずそのままシャッターを切るだけでメリハリの有るきれいな写真が撮れます。
言葉だけでは伝わりにくいので、実際の作例を見ながらどんな違いが出るのか見ていきます。写真は全てオートで撮影し、説明がある箇所のみモードを変えて撮影しています。
AIで被写体を自動認識・最適な色合いに調整
睡眠中の猫を撮影。猫に向かってカメラを向けると、自動的に猫であることを認識しています。毛の1本まで綺麗に描写できていますね。
ちなみに、カメラのシャッターを切るときは画面上のシャッターボタンだけではなく、背面の指紋認証センサーのタッチや音量の上ボタンでも出来ます。動きのある被写体を撮影する時は物理ボタンの方が使いやすいです。
沖縄などに生息する熱帯魚「イラブチャー(アオブダイ)」です。インスタ映えしそうなカラフルな被写体もも色鮮やかに撮れています。
ハイブリッドズームで遠くの物も大きく撮れる
「ハイブリッドズーム」を利用して同じ位置から2倍ズームして撮影してみました。
ハイブリッドズームは、20MPのモノクロセンサーから12MP部分をトリミングして劣化を最小限に押さえて撮影できる機能です。スマホカメラでもここまで綺麗にズームできるのは驚きです。
「ワイドアパーチャ」で背景ボケのある写真が楽しめる
「ワイドアパーチャ」はフォーカス位置や背景ボケの強さを撮影時・撮影後に調整できる機能。2つのレンズで焦点距離とボケ味を変えた写真を撮影することで、後から自由に調整できるのがメリット。
先ほど説明したハイブリッドズームも併用できるため、通常撮影よりも被写体の存在感を強調する事もできます。
夜間撮影もノイズが少ない
夜間撮影もこの通り。ネオンサインもくっきりと映し出し、ノイズの少ないきれいな写真が撮れています。明暗差が激しいので花壇部分は黒つぶれしてしまいました。
以前のHUAWEIでも夜間撮影モードを使えばある程度綺麗な写真が撮れていましたが、オートで適当に撮った状態でココまで綺麗に撮れるのは感動モノです。
暖色寄りに写る画質は飯テロに最適
家で作った具だくさんカツカレー。具が大きすぎてご飯が見えません。(カレールウに溶ける前提で大きめに切ったのに…。)
沖縄の天ぷらも衣のカリカリ・ふわふわ感が伝わるでしょうか。暖色寄りの美味しそうな色合いになりました。適当に撮っただけでここまで表現するのはすごい。
地元の食堂で食べた沖縄そば。ソーキ部分にちゃんとフォーカスが当たり、シズル感やスープの透明感や麺の質感などパーフェクトな写りです。
高画質な写真が簡単に撮れてSNSのシェアに最適
HUAWEI Mate 10 Proの画質はGalaxy S8のカメラに近い色合いで、目で見たよりも色鮮やかに見えるのは近年のインスタ映えなどに良さそうですね。
以前レビューしたHTC U11のカメラ性能では目で見た色を正確に再現していましたが、これはこれでアリだと思います。
シャッターを切るだけで高画質な写真が撮れるのは、撮ってすぐにシェアするSNSの文化が普及した現代にはぴったりのカメラと言えるでしょう。
オートでも十分綺麗に撮れますが、もっとこだわりたい方はProモードを利用すると本格的な写真が撮影できます。ISO感度、シャッタースピード、露出、フォーカスモード、ホワイトバランスをスライダーで調整できます。
シーンに応じて様々な撮り方が選べるのもHUAWEIスマホの良いところ。スマホカメラでは物足りないと感じていた人も、一度使えばこのダブルレンズカメラの魅力に気がつくはず。
まとめ:使えば分かる完成度の高さ。長く使えそうな名機の予感
HUAWEI Mate 10 Proをざっくりとレビューしてみました。
縦長で有機ELディスプレイを搭載したり、新たにAI機能でカメラ性能を向上させるなど、トレンドをしっかり押さえたHUAWEIの新しい流れを感じられる名機でした。
国産機種と比べておサイフケータイやmicroSDカードが非対応だったり、惜しいところはあるものの、本体の質感や性能などこの価格帯でも不満のないクオリティに仕上がっています。
決して安くない金額ですが、最高のパフォーマンスで動くAndroid端末が欲しいなら”買い”です。これだけ高性能なあら長く付き合える機種になりそうです。
格安SIMとセットで契約すると割引やキャッシュバック特典が受けられるところもあるため、特典を上手く活用すればもう少し安く手に入ります。