【2017年6月版】格安SIM（MVNO）21回線の通信速度比較　これまで通りキャリア回線を追いかけるUQ mobileとLINEモバイル

格安SIMではMNOと比べて料金が安くなる反面、デメリットとして挙げられるのが通信速度が遅いという話。

毎日のように値下げが繰り広げられるMVNO市場ですが、格安SIMの事業者を選ぶ上で最も重要なのは通信速度だと思っています。せっかく大量に契約しているSIMカードを有効活用するために通信速度の測定を定期的に行っています。

測定環境・条件

格安SIMでは測定する条件によって大きく速度が異なってきます。測定端末や測定時間が完全に同一ではなく、あくまでも私が測定した環境での結果なので参考程度に見てください。

あえて混雑しやすい時間帯を選んで測定しているので「混雑時にどれだけ通信速度を保てているか」を見てもらえるとMVNOの信頼度や通信速度の安定感がより分かってくると思います。

参考用にワイモバイルも含めていますが、ワイモバイルはほとんどMNOのようなものなので基準としてみてください。なるべく時間を短縮するためにデュアルSIM端末でSIMを入れ替えながら切り替えて使用しています。

また、今年1月から試験的にSpeedtest.netから4GMarkというアプリに切り替えてみました。

このアプリは通常のスピードテストに加えて、YouTube動画の再生やウェブサイトの読み込み速度を数値化してくれる素晴らしいアプリです。以前から楽天モバイルやFREETELなどで起こっている「スピードテストは速いのに体感速度は遅い」という問題もチェックできると思います。完全テスト（Full Test）は通信量が多く、複数回測定すると直近3日間制限に引っかかるSIMがあるため時間帯ごとに1発勝負にしています。

朝8時～9時での測定結果

朝の通勤・通学の時間帯では多くのSIMで下り20Mbpsを超えており動画視聴などもサクサク読み込んでいました。イオンモバイルタイプ2がここに来て一気にスコアを伸ばしました。

キャリア回線のドコモとワイモバイルが頭一つ抜けており、その後を追うように評判の高いUQ mobileやLINEモバイルが続きます。

上りは意外にもドコモよりNifMoのほうが速いという結果に。UQ mobileは下りが平均値くらいに落ち着きました。

昼12時～13時の測定結果

お昼のランチタイムは格安SIMが苦手とする時間帯です。スマホを使い出す人が増えてくるため回線が混雑してしまいます。この時間帯でも快適に使えるかどうかで会社の質が決まってきます。

今回の測定では特に混雑していたようで一部の会社はタイムアウトになっていました。測定した結果は、速いSIMと遅いSIMで結果が大きく二分しました。ここに来て初めてUQ mobileがワイモバイルを追い越す結果に（！）

以前まで少し早いとされていたIIJmioAプランがついにDプランと同じ位に低速化しました。利用者が多いので混雑は避けられないかもしれませんが、これだけネットの評判がいいのに速度は悲しいくらい出ないです…。

NifMoに関しても下りはガクッと下がりましたが、上りは朝と変わらず爆速を保っています。割り切って使う分には問題ないです。

最近まで少し不調だったLINEモバイルもまた回復傾向にあるため、半年経過後も今のところ回線速度の低下に関しては問題ないようです。

夜19時～20時の測定結果

夜の帰宅時間に測定した結果は、昼の速度から若干回復した程度で速いSIMと遅いSIMの差は中々埋まりません。ワイモバイルの速度がまた朝と同じくらい速くなり、ドコモ・UQ mobile・LINEモバイルが追いかける形に。

欲を言えば下り2～3Mbpsが安定して出てくれるとストレス無く使えるレベルなんですが、今のところ1Mbpsを切っている場所が多いですね。ブラウジングやSNSなども問題なく出来ますが、ちょっと待たされる感じです。

測定結果を踏まえた感想と今月のオススメSIM

測定結果の前に以前書いた格安SIMの選び方も合わせてご覧ください。ここから先はアフィリエイトリンクを含む内容となるため、嫌悪感を抱く方は会社名で検索を掛けて契約して下さい。

UQ mobile

長期間安定した速度をキープし続けているUQ mobile。KDDIの子会社というチートのような存在ですが、数少ないau回線を使用できる格安SIMということで人気のある会社です。

多くの時間帯で下り平均20Mbpsを超えており、キャリア並の通信品質という評判は噂通りですね。通信速度を重視する方はUQ mobileがオススメです。

最近は5分通話定額がセットになったぴったりプラン（たっぷりプラン）を推しています。通信速度含めキャリアと大差ない使い勝手で人気のある会社です。

UQ mobileの詳細についてはモバレコでも寄稿しているので良かったら合わせてご覧ください。

ワイモバイル

他社のMVNOとあまり値段が変わらないソフトバンクのサブブランド。ワイモバイルは格安SIMと呼んでいますが実際はドコモやau、ソフトバンクと同じMNOです。

ワイモバイルは他社の頭1つ、2つ飛び抜けた速度が常時安定して出ているので、ワイモバイル回線が繋がるエリアなら1番オススメしたい会社です。

通話定額コミコミのプランでワンキュッパ（1,980円）から持てる料金プランも初心者に分かりやすいと評判が高いです。複数回線持っていると家族割引で子回線が500円引きになったり、SIMフリースマホとセットで割引やキャッシュバックが付いてくる点にも注目。

また、Yahoo!プレミアム会員限定でワイモバイルのデータ通信専用SIM（1GB）が月額540円で持てる「ワイモバイルSIMスターターキット」も用意されています。非会員だと月額1,058円にアップしてしまうので、プレミアム会員費+特別価格の方がお得です。

ドコモ

キャリアと格安SIMの比較用として契約したドコモ純正回線。値段が高い分サポートや通信品質には差が付いています。

今回の測定では若干お昼の速度が落ちてしまいましたが、それでもMVNO回線と比べると本家の安定感を見せてくれました。

安くした分だけ快適さが犠牲になるのではなく、「考えるのをやめて大手キャリアに乗り換える」という選択肢もありじゃないかなと思います。

IIJmio

圧倒的な信頼を誇るIIJmioですが、朝以外の通信速度に関しては他社より並から下くらい。サポートや定期的な帯域増強などで評判はいいものの実用的な速度は出ていない様子。

mineoに続くマルチキャリア対応の会社で、キャリアを跨いだパケットの共有などが行えて便利に活用していますが、それでもネットの評判ほど使いやすくはないと思っています。

mineo

mineoに関しては相変わらず現状をキープといった感じでした。特段早くも遅くもなっておらず現状維持で、お昼に関しては画像の読み込みでもたつきがあります。

mineoならではのパケットを誰とでもシェアできる仕組みは他社も真似してほしいほど、唯一無二のサービスだと感じています。パケットシェアで家族で分け合ったり、パケットギフトで友達同士シェアしあって余ったパケット繰越を延長したりと利用方法は様々。

コミュニティサイト「マイネ王」ではmineoユーザー同士の交流や運営スタッフによるブログで活気が溢れています。

下記の招待リンクから登録すると、私とあなたにAmazonギフト券1,000円分がプレゼントされます。
http://mineo.jp/syokai/?jrp=syokai&kyb=F8J0C0U6R8

nuroモバイル / 0 SIM

もう言及する気がないですが、これまで通り0SIMに関しては絶望的に繋がりづらい・繋がってもあり得ないくらい遅いです。nuroモバイルは2GB/5h定額共にスピードテスト結果と体感速度に差があるように感じます。

5時間定額で動画などを観ようとしても中々読み込まれないのでストレスが溜まります。公式サイトのトップにはコストパフォーマンスの高さ」がNo.1になりましたと大きく表示していますが、何かの間違いではないかと疑ってしまいます。

NifMo

定期的な設備増強により落ち込んでいた速度が徐々に回復してきている模様。NifMoは以前からアップロードが速い傾向があるため、使い方次第では結構使える回線です。

唯一のネックは直近3日間制限がまだ残っているところ。昨年9月からは制限日数が1日に緩和されたのでまだ我慢できますが、楽天モバイルですら撤廃しているのでそろそろNifMoも廃止して欲しいところです。

現在は格安スマホと音声プランのセットで10,000～20,000円のキャッシュバックを行っています。「格安SIMにするのと同時にスマホも変えたい！」という方に人気の会社です。

LINEモバイル

我らが一押しのLINEモバイルは初期の通信速度に徐々に戻りつつあります。契約当初に不安要素だった「どうせ人が増えてきたらすぐに遅くなる」といった心配もそろそろ大丈夫かなと思っています。

速度も去ることながらpingの値も安定しているので、キャリア回線と同じ感覚で使えています。今はサブ端末のP8maxに利用していますが、そろそろメイン端末に使いたくなってきました。

LINEモバイルはLINEやSNSのヘビーユーザーにおすすめの「カウントフリー機能」が付いています。

これは特定アプリの主要機能がいくら使ってもパケットを消費しない仕組みで、使いすぎて速度制限に掛かった状態でもカウントフリー対象のアプリは高速通信が使えます。

OCNモバイルONE

以前と同じくクイックテストとフルテストで差がついているため、スピードテストだけ速い現象（スピードテストブースト）が発生しています。

測定した数値よりも遅く感じるため正直言って悪質です。SNSなどの利用だけであれば問題ないですが、アプリの更新やダウンロード、ストリーミング動画の再生などはガッツリ制限を掛けています。

定期的に帯域増強はしているらしいですが、その効果は今ひとつ見られないです。

FREETEL 使った分だけ安心プラン

色々と問題の絶えないFREETELですが、昔のスピードテストだけ速い現象からありのままの数値を出すようになりました。結果としては遅くて微妙なんですが、それでもまだ数値と体感速度に差が付いています。

もう会社を信頼していないのでよっぽど速度が安定しない限り手放しで褒めることは無さそうです。やはり一度失った信頼を取り戻すには時間が掛かります。詳しい内容は以前の記事をご覧下さい。

5月から回線増速を「毎週実施」となるらしいですが、今のところ改善された様子は見られません。

ここ最近は速度の低下が著しく不安定な状態が続いています。使った分だけ安心プランなどのコンセプトは素晴らしかっただけにここ最近悪いニュースばかりで非常に残念です。

以前はスピードテストだけ速い「スピードテストブースト」を行っていた疑惑もあるため、この回線をメインにするのはおすすめできません。SNSなどを中心に行うサブ回線に向いています。カウントフリー機能もありますからね。

ロケットモバイル

通信速度が以前よりも低下傾向にあるロケットモバイルは、IIJmioやIIJmioのMIMEとなるイオンモバイルと似たような傾向にあります。極端に悪くもないけど良くもないMVNOの平均値くらいの会社です。

上り最大50Mbpsで使い放題（上りのみ）のアゲアゲプランも登場し、他社にはない個性的なプランも出しているため、使い方がプランに合致したときはお得になります。

イオンモバイル

イオンモバイルはタイプ1と2の差が少し減ったように思えました。フルテストではタイプ1のほうが速くなっていますが、実際のところ1Mbpsを切るとどちらも対して変わらないのが本音。

全国のイオンで契約や修理などのサポートが受けられる点や、音声プランでも最低利用期間や解約金が発生しないところなど、格安SIMや格安スマホ初心者でも安心して契約できるので人に勧めやすいです。

プランの選択肢もデータ容量に応じて多くの種類から選べるので無駄がないです。あと、マイページの使い勝手がイマイチなので改善して欲しいです。

エキサイトモバイル

利用者がまだ少ない割には速度はあまり出ないですね。夜は下り2Mbps弱ほど出ているのでブラウジングやSNSメインで使っているなら全然問題なく使えます。

アップロードもそれなりに出ているので速度にこだわりが無ければ良いプランかも。FREETELやb-mobileでやっている段階性従量制プラン（最適料金プラン）を提供しているので、使った分だけ支払うのは無駄がなくて嬉しい。

普段格安SIMを契約する時は3GBプランを選びますが、スピードテストだけやっていると確実に余ってしまいます。大体1GB超えないくらいだと税込800円ちょっとなので少し安くなります。

楽天モバイル

以前までのスピードテスト番長と比べると若干制限が和らいだような気がします。常に端末特価セールを繰り返しているため、CMばかり打たずにユーザーの満足度に繋がる帯域増強を頑張って欲しいのですが。

直近3日間制限を撤廃したり、2回戦目以降のプランを割引したりとユーザー目線に立ったプラン展開になってきています。会社の評判的にあまり信頼は出来ないですが、暫く様子見してみたいと思います。

https://creatorclip.info/2017/02/rakuten-mobile-3day-speed-limit-abolish/
https://creatorclip.info/2017/02/rakuten-mobile-campaign-201702/

BIGLOBE

YouTubeやAbemaTVの通信量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」などが人気を集めるBIGLOBE。これまで通り遅くもなく速くもなく普通です。

朝に関しては何故か他のMVNOよりも下りの速度が早くなる傾向があるため、動画のダウンロードなどの重たいファイルを取り扱うときはなるべく混雑しにくい朝に行うと素速く終わるはず。

https://creatorclip.info/2016/10/biglobe-entame-free-option/
https://creatorclip.info/2015/11/biglobe-sim-lite-s-plan-review/

モバレコさんでも詳しくレビューしているので良かったら見てください。

https://mobareco.jp/a85229/
https://mobareco.jp/a90431/

全測定結果

最後に全測定結果を載せておきます。スマホだと縦に長いのでPCから見たほうが比較しやすいかも。