AIカメラ搭載の「HUAWEI nova lite 3」レビュー。予想以上に完成度が高いコスパ重視モデル
2018年2月1日(金)に発売した「HUAWEI nova lite 3」をレビュー用にお借りました。
美しい曲線美の背面デザインに加えて、しずく型ノッチを採用したフルビューディスプレイやAI搭載のデュアルカメラなど、業界のトレンドをギュッと詰め込んだコスパに優れた端末です。
本記事では「HUAWEI nova lite 3」を2週間ほど使用してみて、外観やスペック、カメラ性能について詳しくレビューしていきます。
- ■メリット
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- しずく型ノッチで画面を広く使える
- 前作よりも性能が向上している
- キャリアアグリゲーションとau VoLTE、DSDVに対応
- 指紋認証・顔認証に対応。認識速度や精度も抜群に良い!
- AI搭載カメラは価格以上の写り
- 価格が安い(税込29,030円)
- ■デメリット
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- 背面素材が樹脂製で傷や指紋が付きやすい
- Wi-Fiが 5GHzに非対応
- 充電端子がmicroUSB
- 食べ物や夜間撮影はイマイチ
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オーロラのように美しいグラデーションが魅力的
HUAWEI nova ltie 3は約6.21インチ FHD+(2,340 x 1,080)のフルビューディスプレイを搭載したミドルレンジモデルです。前作「nova lite 2」と比べてさらに縦長になり、画面占有率は89%にアップしています。
横幅は73.4mmと画面サイズに対してスリムで、側面や背面の丸みと相まって手にしっかりフィットします。長さがあるので片手操作はちょっと厳しい印象。手の大きな男性ならいけるかも?
ノッチ部分はインカメラのレンズのみ食い込んだ形状(しずく型ノッチ)を採用。ノッチデザインは賛否両論ありますが、設定でノッチ部分に黒帯を入れて隠すこともできるので個人的にはそこまで気になりません。
ナビゲーションバーはタッチ式。Android 9 Pieのナビゲーションではなく、従来の「バック」「ホーム」「タスク」ボタンが3つ並んだ形式です。設定でスワイプによるジェスチャー動作に切り替えることができます。
背面は鏡面加工仕上げで安っぽさは感じさせません。
見た目は高級感がありますが、触ってみるとガラスやアルミ独特の質感ではなく樹脂製だと分かります。
最初はケース無しで使用していましたが、指紋や傷が目立つので付属のケースを付けて使用しています。純正品なのでカメラや指紋センサーのくり抜き精度やフィット感は良好です。
本体カラーはオーロラブルー、コーラルレッド、ミッドナイトブラックの3色。オーロラブルーのみグラデーションカラーになっています。
背面上部に約1,300万画素+200万画素(深度測定用)のデュアルカメラ
中央付近には丸型の指紋認証センサーを搭載しています。
右側面には音量と電源ボタン。左右どちらの手で持っても適度なクリック感があって押しやすいです。
左側面には何もありません。
側面上部にはSIMとmicroSDスロットを内蔵。最大2枚のSIMカードが使えますが、2枚目はmicroSDスロットと排他構造となるためSDカードを使用する方はDSDVなどは使えません。
付属のSIMピンは細長い形状をしており、iPhone等に付いてくるSIMピンだとトレイが完全に出てこないので取り出しづらいです。故障の原因に繋がりそうなので純正品を使ったほうが良さそうです。
側面下部にはイヤホンジャック、microUSBポート、スピーカーを内蔵。
USB端子がType-Cではなくmicro USBなのは従来機種からの買い替えを想定しているからでしょうか。いい加減ケーブルはType-Cに統一したいので困りました。
HUAWEI nova lite 3のスペック
HUAWEI nova lite 3のスペックは以下の通り。
本体カラー | オーロラブルー、コーラルレッド、ミッドナイトブラック |
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本体サイズ | 155.2mm x 73.4mm x 7.95mm |
本体重量 | 約160g |
OS | Android™ 9 + EMUI 9.0.1 |
ディスプレイ | 約6.21インチ/TFT/2,340 x 1,080 FHD+ |
CPU(SoC) | HUAWEI Kirin 710 2.2GHz + 1.7GHz(オクタコア) |
メモリ(RAM) | 3GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 32GB |
外部ストレージ | microSDXC™ 512GB |
アウトカメラ | 約1,300万画素+200万画素 LEDフラッシュ/像面位相差+コントラスト AF |
インカメラ | 1,600万画素 FF |
バッテリー容量 | 3,400mAh |
充電端子 | microUSB |
SIMカード | nanoSIM×2 |
通信方式 | FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 8 / 17 / 18 / 19 TDD LTE: B41 キャリアアグリゲーション対応、auVoLTE対応(ソフトウェア更新) WCDMA: B1 / 2 / 5 / 6 / 8 / 19 GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz |
Wi-Fi | 802.11 b/g/n 2.4GHz |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 |
センサー | 加速度,コンパス,環境光,近接,指紋認証 |
CPUはHUAWEIのミドルレンジ機に採用される「Kirin 710(オクタコア)」を使用。スマホで重たいゲームをしない方にとっては特に大きな不満もなく使えそうです。
「PUBGモバイル」「荒野行動」「デレステ」などの3Dグラフィックのゲームをプレイすると動作にもたつきが見られました。画質を下げてやエフェクトを最小限に抑えることで何とかプレイできる(快適とは言ってない)レベルです。
メモリ 3GB / 内蔵ストレージ 32GBの構成は若干物足りなさを感じますが、内蔵ストレージが足りなくなったらmicroSDカードで補うことも可能です。
バッテリー容量は3,400mAhと少し大きめ。画面サイズが大きいのでゲームなど重たい処理を行っているとみるみる減っていきますが、WebサイトやSNSの閲覧・投稿、写真撮影や加工などをして1日ヘビーに使っても夜までは持ってくれます。
通信面ではキャリアアグリゲーションやau VoLTEに(アップデートで)対応し、2枚のSIMカードを同時に待受状態にする「DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)」も利用可能です。
Wi-Fiの通信速度が速くなる5GHz帯に対応していないのはコストカットの影響でしょうか。
ベンチマークアプリの測定結果
ベンチマークアプリでスコアを計測してみたところ、上記のような結果となりました。スコアだけを見ると「ASUS ZenFone 5」や「HUAWEI Mate20 lite」に一歩及ばず。
上記の2機種は「nova lite 3」よりも価格が1~2万円ほど高いので価格相応かなと。3万円未満で買えるスマホの中では優秀だと思います。
AI搭載カメラの実力をチェック
HUAWEI nova lite 3にはAI機能で被写体やシーンを判別する「マスターAI」が内蔵されています。
イン・アウトどちらのカメラも対応しており、アウトカメラは22カテゴリー、インカメラは8カテゴリーを認識して自動的に最適なモードに変更してくれます。AI機能で撮影した写真は、ギャラリーアプリからオン・オフを切り替え可能です。
実際にHUAWEI nova lite 3のアウトカメラで撮影した作例を載せていきます。
設定は全てオート(AIオン)で撮影しており、1枚目はオンの状態、2枚目はオフの状態で撮影しています。写真をクリック(タップ)すると拡大して表示されます。
元画像はGoogleフォトにアップしています。
日中の写りは上出来
日中の屋外や明るい室内はAIオフの状態でもホワイトバランスや明るさも良く、撮って出しでそのままSNSに上げても満足の行くクオリティで撮れています。AIをオンにすると「インスタ映え」っぽく彩度高めの写りになり好みが分かれそうです。
AIをオンにすると空や緑の彩度が上がりビビットな色合いになります。1枚目の黒つぶれした人物が明るく写っています。
置物を接写すると「スーパーマクロ」モードになり、背景がボケる写真が撮れました。
花の写真は花びらにきちんとフォーカスが当たっており、P20シリーズよりも色合いが極端にならず自然です。桜の写真は全体的に赤っぽく写ってしまいました。
食べ物はAIオフのほうがいいかも
食べ物の写真については正直AIオフのほうが美味しそうに写ります。AIをオンにすると何でもかんでも極端な色合いになり、ホワイトバランスがおかしくなってしまいます。
夜景や暗所撮影は価格相応
夜間撮影ではAIオンにするとノイズが乗り、AIオフだとピントが合わずぼんやりとした写真になりました。暗所でも綺麗に撮影したいときはハイエンドモデルを選んだほうが幸せになれます。
HUAWEI nova lite 3のカメラ総評
過去にHUAWEIのミドルレンジモデルをいくつも使ってきましたが、同価格帯のスマホよりも比較的綺麗に撮れる印象です。マスターAIの効果により彩度やコントラストが上がっているため、加工せずそのままSNSにアップする用途であれば十分満足の行くクオリティです。
スマホカメラの苦手とする暗所撮影では本体価格の差がはっきりと出てきます。HUAWEI nova lite 3にも夜間撮影モードは用意されていますが、ディティールを強調しすぎてノイズが目立つ写真になってしまいます。
本体価格差が3倍近くあるハイエンド機と比べてしまうのは酷だと思いますが、どんなシーンでもカメラの画質を重視したい方にはオススメできません。日中の外や明るい屋内であれば価格以上に撮れるカメラだと思います。
まとめ:万人受けするベーシックなミドルレンジモデルは「買い」
HUAWEI nova lite 3をサブ機として使って2週間、小さな不満はあるものの概ね満足して使っています。1年前の「nova lite 2」「P20 lite」と比較しながら使ってみて、本体の質感や造り、動作の軽快さやカメラ画質など進化を感じる点が多く、このクオリティで税込3万円以下で買えるなら売れるだろうなと思えるほど。
HUAWEI nova lite 3は、「スマホでゲームをバリバリこなしたい」「有機ELの美しいディスプレイで映像を楽しみたい!」など、スマホを活用する上で強いこだわりがない方には万人に勧められる無難な機種となるでしょう。