SIMフリー版「HUAWEI P20 lite」レビュー。2018年のトレンドを取り入れた高コスパなミドルレンジ機
HUAWEIから2018年夏モデルとして発売された「HUAWEI P20」シリーズ。最上位モデルのP20 Proを購入した後、ミドルレンジのP20 liteも使い勝手が気になったのでAmazonで購入してみました。
コスパがいいと評判だった「HUAWEI P10 lite」の後継機種ということで、期待している人も多いのではないでしょうか。約1ヶ月サブスマホとして使ってみたのでレビューしていきます。
au版もスペックは異なりますがほぼ同じ仕様のため参考にしてみて下さい。
- ■メリット
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- 大画面なのにコンパクトなサイズ
- 背面のデザインに高級感がある
- 前面・背面カメラの画質が向上している
- au版、SIMフリー版が選べる
- auとソフトバンクのVoLTEに対応
- 高精度な指紋認証・顔認証に対応
- USB Type-Cを採用して充電が楽になった
- ■デメリット
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- 背面のカメラレンズが出っ張っている
- 高負荷なゲームだとカクつきが見られる
- ドコモのVoLTEは非対応
- 4G+3GのDSDS(Dual SIM Dual standby)に非対応
- 防水・防塵、おサイフケータイなど国産機能に非対応
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HUAWEI P20 liteの外観や付属品をチェック
パッケージ外観はHUAWEI P20 Proと同じ金色の型押し加工されたデザイン。
今回はAmazonでOCNモバイルONEのエントリーパッケージ付きを購入しました。こちらの回線契約は任意のため、パッケージは使用せずこのまま取っておきます。
箱を開けるといきなり本体が出現。柔らかい袋に包まれています。
付属品が充実している
箱の中身はHUAWEI P20 lite本体、TPUケース、SIMピン、充電器、Type-Cケーブル、イヤホン、取扱説明書が入っていました。ケースや充電器などが付属しているので、購入したらすぐに使い始められます。
付属のTPUケースは純正だけあってぴったりサイズ。市販のケースよりもしっかり作られています。
背面の指紋認証センサー部分は指が乗せやすいように窪みが付けられています。カメラレンズも段差を埋めてくれて机上に置いてもガタガタしません。
サイドキーは全て覆われるタイプで押し心地も良好です。
各端子部分のくり抜き精度も完璧。特にこだわりがなければこのまま使用しても良さそうですね。
付属の充電器とケーブルを組み合わせると9V2Aの急速充電「Huawei QUICK CHARGE」に対応しています。これ以外の組み合わせだと急速充電が使用できません。
本体外観をチェック
正面から見た感じは普通のスマホ。
ディスプレイを点けると画面の大きさに驚きます。ベゼルレスデザインで本体サイズギリギリまで画面が広がっています。
ディスプレイ上部には画面の切り欠き(ノッチ)があるデザイン。ノッチは賛否両論分かれますが、iPhone Xと比べてサイズが小さいため個人的にはあまり気になりません。
どうしても気になるという方は設定でノッチを隠すことが出来ます。設定方法については後ほど紹介します。
インカメラは約1600万画素と画素数が向上しています。
ディスプレイ下部にはHUAWEIのロゴ。P20とP20 Proでは指紋認証センサーが付いていますが、P20 liteは従来通り背面にあります。
背面には傷がつかないようにフィルムで覆われています。
背面素材はガラスパネルで光の当たり方によって色味が変化する鏡面仕上げ。honor 9に似た色合いで非常に美しいです。光沢感のあるガラスパネルのため指紋や皮脂汚れは目立ちます。
ケースを付けずに裸で使いたいところですが、机上に置いても滑ってしまうため付属のケースをつけて使用しています。カメラの出っ張りも保護できて一石二鳥です。
背面左上には約1600万画素(F2.2) + 約200万画素(F2.4)のダブルレンズカメラを搭載。2つの画像を合成することで自然な背景ボケのあるワイドアパーチャ撮影が行なえます。
上位モデルのカラー+モノクロセンサーで分かれたレンズではなく、200万画素のサブカメラは被写体深度を測定するために利用しています。
カメラのレンズは数ミリ出っ張っています。机上に置いたときにガタツキが出てしまうため、付属のケースなどを使って段差を埋める必要があります。
背面中央付近には評判の高い指紋認証センサーを搭載。ちょうど人差し指が届く位置に配置されており、ポンと軽く触れるだけで瞬時にロック解除できて便利です。
卓上に置いているときはロック解除に一手間かかるので、新たに搭載された顔認証を利用するといいでしょう。こちらも顔を画面に向けるだけで1秒未満でロックが解除されます。
左下にはHUAWEIのロゴが控えめに入っています。
右側面には電源ボタンと音量ボタン。
上位モデルでは電源ボタンの材質や加工が異なっていますが、P20 liteでは特に違いはありません。ボタン同士の間隔が離れているので押し間違えも少ないです。
側面はアルミフレームを採用しており高級感が出ています。
左側面にはSIMスロットを内蔵。SIMフリー版はデュアルSIM仕様ですがDSDS(Dual SIM Dual Standby)に非対応です。SIM2はmicroSDカードと排他構造となり、SDカードを使用する場合はSIMは1枚のみ使えます。
au、ワイモバイル版はシングルSIM仕様で、au版のみ内蔵ストレージが64GBに増えています。(UQモバイル・ワイモバイル・SIMフリー版は半分の32GB)
口コミを調べてみたところ、UQモバイル版でもSIM2スロットが使えない(無効化されている?)という情報もありました。UQモバイル以外のSIMカードは動作保証外となるため、もしかしたらシングルSIMでしか使えない可能性があります。
どちらが良いかは使い方によって変わります。
側面上部はマイク穴のみ。
側面底部にはマイクやスピーカー、充電端子が配置されています。今回から充電端子がType-Cに変わり、従来のmicroUSBと比べて充電が楽になりました。
P20・P20 Proでは削除された3.5mmイヤホンジャックも付いているので、変換ケーブルを使用しなくても有線イヤホンが使えます。まだまだ無いと困る機会が多いので付いていると助かります。
縦長のボディは持ち心地が良い
従来機よりも丸みを帯びたフォルムで持ちやすさが向上しています。19:9の縦長ディスプレイにより、約5.7インチの大型ディスプレイを搭載していても片手で楽に持てます。
側面の丸みや背面のガラスパネルが滑らかに繋がってフィット感は良好です。とはいえガラスパネルはツルッとして滑りやすいため落としてしまわないか心配です…。やはりケースなどで落下対策は打っておくべきでしょう。
光り方が変わる背面デザインはずっと見ていたくなるほど綺麗な作りです。今回選んだクラインブルーだと光を多く反射する仕上げになっており輝き方が違います。
ちょっと派手すぎると思ったときは、サクラピンクやミッドナイトブラックのほうがおすすめです。
HUAWEI P20 liteのスペックとベンチマークをチェック
HUAWEI P20 liteのスペックはこちら。公式サイトのスペック表を参考にしています。
本体カラー | クラインブルー、サクラピンク、ミッドナイトブラック |
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本体サイズ | 約149mm×71mm×7.4 mm |
重量 | 約145g |
OS / UI | Android™ 8.0 / EMUI 8.0 |
ディスプレイ | 約5.84インチ フルHD+(2,280×1,080)TFT |
CPU(SoC) | HUAWEI Kirin 659 オクタコア (2.36GHz×4 + 1.7GHz×4) |
メモリ(RAM) | 4GB |
内蔵ストレージ(ROM) | UQ、ワイモバイル、SIMフリー版:32GB au版:64GB |
外部ストレージ | micro SD(最大256GBまで対応) |
アウトカメラ | 約1,600万画素(F2.2)+200万画素(F2.4) |
インカメラ | 約1,600万画素(F2.0) |
バッテリー容量 | 3,000mAh |
充電端子 | USB Type-C |
急速充電 | 「HUAWEI QUICK CHARGE」対応(付属の充電器+ケーブルが必要) |
Wi-Fi / Bluetooth | Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac Bluetooth:Bluetooth® ver.4.2 with BLEZ(Support aptX) |
SIMカード | au、ワイモバイル版:nanoSIM×1 UQモバイル、SIMフリー版:nanoSIM×2※ ※SIM2はmicroSDカードと排他構造 |
通信方式 |
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価格の割に充実したスペック
スペックをずらっと見ていくと、最近の2~3万円クラスによくある価格と性能のバランスが取れた構成です。メモリ容量が増えてカメラの画素数が向上しています。
国内3キャリアの周波数に対応しており、auとソフトバンク(ワイモバイル)はVoLTEにも対応しています。残念ながらドコモのVoLTEには対応していません。
ストレージ容量はau版とUQモバイル・ワイモバイル・SIMフリー版で異なります。au版のみ64GBでその他は32GBです。その代わりSIMが2枚挿入できます。
防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグ・フルセグなどの国産機能には対応していません。上位機種のP20・P20 Proであれば防水・防塵に対応しています。
ベンチマーク測定結果
Antutu Benchmarkの測定結果は87,061点。2~3万円台で購入できるSIMフリースマホの中では良い結果となりました。Snapdragon 630とほぼ同じくらいの結果です。
Geekbench 4と3D Benchの結果も載せておきます。
Webサイトの閲覧や動画視聴、LINEやSNSなどのチェック、2Dのゲームであれば快適に使えるほどの性能を持っており、スペックに強いこだわりがなければ十分メインとして使えます。
しかし、処理の重たい3Dゲームなどはグラフィック性能を低~中程度に抑えないとカクつきが見られました。音ゲーなど判定がシビアなゲームをするとタップが抜けたりするので、ゲームをよくする方は上位機種のほうが快適に利用できるでしょう。
電池持ちについては上記のライトな使い方であれば1.5日~2日程度持ちます。動画視聴など画面をずっと点灯させてイルとみるみる減っていくため、明るさなどを調整したほうが良さそうです。
HUAWEI P20 liteのカメラ性能をチェック
HUAWEI P20 liteのカメラは背面が約1,600万画素(F2.2)+200万画素(F2.4)のダブルレンズ。前面は約1,600万画素(F2.0)を搭載しています。
撮影モードやインターフェイスはこれまでのHUAWEI端末と同様に使いやすいです。初回起動時にチュートリアルも表示されます。
実際にオートで撮影した写真を掲載します。縮小加工したのみで色味や画質調整は行っていません。元画像はGoogleフォトにアップロードしているので、下記リンクよりご確認下さい。
色数が多くビビットなカラーなシーサーの置物を撮影。明るい店内で撮影しているため、目で見た色味に近い自然な仕上がりに。
散歩しているときに道端に咲いていた花を撮影。花と葉っぱに付いた水滴までしっかりと描写されています。
ワイドアパーチャを使うと背景ボケのある写真が撮影可能。F0.95~F16まで手動でボケ味を調整できます。
背景が複雑なときは不自然なボケになることも。左下の葉っぱがボケなかったり、奥行きのないおかしなボケになっているため、こういったときはオートで撮影したほうがいいでしょう。
ワイドアパーチャで撮影した写真は、純正のアルバムアプリから後でボケ味を調整できます。スライダーをF16まで持っていくと全体にフォーカスしたパンフォーカスになります。
インスタ映えしそうなローストビーフ丼を撮影。外のテラス席では明るさも十分で、シズル感のある美味しそうな写真になりました。
麻婆豆腐は暖色系の照明のある食堂でいただきました。きちんと狙った場所にピントが合っていて、色合いや明るさも悪くないですね。
タコライスは照明の色味に引っ張られて青白くなってしまいイマイチな写真に。撮影する条件によってはこのようにあまり美味しそうに見えない失敗作も出てきます。
彩度やコントラストを上げて食べ物を美味しそうに映す「ナイスフードモード」を試してみました。
薄暗い場所や色味が淡く美味しそうに見えないときに試すと良いかもしれません。個人的にはちょっとやりすぎな気がするので、モードを適用する強さを選べたら良いなと思いました。
スマートフォンでの撮影が難しい夜景の撮影は、シャッタースピードが長くなるため手ブレが多く、ノイズが目立つ写真となりました。
最上位モデルのHUAWEI P20 Proの作例とは雲泥の差です。
とはいえ、価格は2~3倍近く差があるので同じ土俵で比べるのは酷だと思います。「スマートフォンでも綺麗な画質で写真や動画を撮影したい!」という方は上位モデルを選んだほうが良いかもしれません。
苦手なシーンはいくつかあるものの、2~3万円台で購入できるモデルの中では癖も少なく使いやすいと思います。HUAWEI nova lite 2やP10 liteと比べると色味も自然になりました。
安っぽさを感じさせない質感、性能ともに満足度が高い1台
HUAWEI P20 liteはベゼルレスデザインのディスプレイや背面の美しいガラスパネル、背景ボケのある写真が楽しめるダブルレンズカメラなど価格以上に楽しめる製品だと感じました。
端末の性能やパフォーマンスは価格なりですが、HUAWEI独自のUIや細かい便利機能などが使いやすかったです。コスパの高い評価を裏切らない大きな弱点がないのも魅力的です。
価格と性能のバランスが良いHUAWEI P20 liteは、ライトユーザーからスマホをバリバリ使いこなす人まで多くの人におすすめできる1台です。