【2018年7月版】格安SIM（MVNO）23回線の通信速度比較　期待のLINEモバイルSBプランと上昇傾向のOCN系

格安SIMではMNOと比べて料金が安くなる反面、デメリットとして挙げられるのが通信速度が遅いという話。

毎日のように値下げが繰り広げられるMVNO市場ですが、格安SIMの事業者を選ぶ上で最も重要なのは通信速度だと思っています。せっかく大量に契約しているSIMカードを有効活用するために通信速度の測定を定期的に行っています。

測定環境・条件

格安SIMでは測定する条件によって大きく速度が異なってきます。測定端末や測定時間が完全に同一ではなく、あくまでも私が測定した環境での結果なので参考程度に見てください。

あえて混雑しやすい時間帯を選んで測定しているので「混雑時にどれだけ通信速度を保てているか」を見てもらえるとMVNOの信頼度や通信速度の安定感がより分かってくると思います。

参考用にワイモバイルも含めていますが、ワイモバイルはほとんどMNOのようなものなので基準としてみてください。なるべく時間を短縮するためにデュアルSIM端末でSIMを入れ替えながら切り替えて使用しています。

より正確な速度を出すために「4GMark」を使用

昨年1月から試験的にSpeedtest.netから4GMarkというアプリに切り替えてみました。

このアプリは通常のスピードテストに加えて、YouTube動画の再生やウェブサイトの読み込み速度を数値化してくれる素晴らしいアプリです。

以前から楽天モバイルやFREETELなどで起こっている「スピードテストは速いのに体感速度は遅い」という問題もチェックできると思います。完全テスト（Full Test）は通信量が多く、複数回測定すると直近3日間制限に引っかかるSIMがあるため時間帯ごとに1発勝負にしています。

2017年11月から通常の速度測定はSpeedtest.netで行うようにします。クイックテストの精度があまり良くなかったり、測定に掛かる通信量が多く見られるため変更しています。

前回からの変更点

前回の測定結果はこちら。

新たにLINEモバイルのSBプランを契約しました。端末や回線の組み合わせを少し入れ替えています。

2017年11月から試験的に表組みを下りと上りを分けて速度が早い順にソートして表示しています。これで速さの差が比較しやすくなりました。

朝8時～9時での測定結果

通勤・通学ラッシュの時間帯に測定したところ、サブブランドだけではなくNifMoやイオンモバイルなどのドコモ系MVNOの速度も速かったです。多くの会社で下り10Mbpsを超えています。

新たに契約したLINEモバイルは下り16Mbpsと期待通りの速度が出ています。まだ利用者が少ないため帯域が比較的空いているようです。

昼12時～13時の測定結果

平日のランチタイムは格安SIMの鬼門となる時間帯です。多くの会社で下り1Mbpsを下回り、Webサイトの閲覧や画像の読み込みにも時間が掛かってしまいます。

下り速度ではワイモバイルが下り43Mbpsとぶっちぎりのトップ。続いてLINEモバイルが18Mbps超えと朝と変わらないスピードを維持しています。UQ mobileやドコモも下り10Mbpsを超えていて快適です。

その他の会社は速度が急激に落ちているため、お昼休みにスマホをよく使う人は遅いと感じやすいと思います。

夜19時～20時の測定結果

夜の帰宅ラッシュの時間帯も昼と似たような順位でした。ドコモとサブブランドが並び、FREETELがここに来て回復。ドコモ系MVNOは大体1～2Mbps程度で横ばいですね。

昼と比べて通信量が増えてくる時間帯のため、動画視聴などをする場合は速度の速い回線を選んでおきたいところ。

1日の統計速度

1日の平均速度がこちら。

測定結果を踏まえた感想と今月のオススメSIM

測定結果の前に以前書いた格安SIMの選び方も合わせてご覧ください。ここから先はアフィリエイトリンクを含む内容となるため、嫌悪感を抱く方は会社名で検索を掛けて契約して下さい。

UQ mobile

相変わらず長期間ぶっちぎりの速度を誇るUQ mobile。
大手キャリアに負けないauのサブブランドを展開しており、豊富な端末から選べたりキャンペーンでキャッシュバックを配っていたりと他社の一歩先を行く会社として注目しています。

筆者も数年間メイン回線として利用していますが、速度の遅さに悩まされること無く使えるのは本当に快適です。料金プランには少々不満が残るものの、プランの安さや大手キャリアからの乗り換えには最適だと思います。

「ぴったりプラン」や「おしゃべりプラン」では通話を多くするユーザーから人気で、ライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの人にオススメしたいプランです。2年縛りや少々ややこしいプラン内容となるため、純粋なMVNO回線がほしい方はあまり向かないかも。

ワイモバイル

安定した通信速度とプラン内容に多くの支持を集めるワイモバイル。

筆者も数年前に契約してから速度の速さに惚れ込み、メインの通話回線をワイモバイルに移行しました。地下や入り組んだ場所だと繋がりにくいことがありますが、繋がる場所なら最速を記録することもしばしば。

格安SIMでも速度に妥協したくないという方はワイモバイルがオススメです。MVNOと大手キャリアのいいとこ取りをした会社なので、料金も安く速度も速いというかなり魅力的なプランですね。

寄稿記事で長文でレビューも行いました。業界最速と言われたワイモバイルの魅力をご紹介します。

mineo

通信の最適化とSSLの速度制限の騒動で評判がガタ落ちしているmineo。通信速度に関わることなので、速度重視の方はオススメできませんが、mineo独自のパケットシェアサービスやマイネ王のコミュニティは便利です。

以前の測定と比べて日中の速度が安定してきたように思えます。速度だけを見ると他社のドコモ系と変わらないようですが、極端に遅いと感じる時間が短くなっています。

家族や友人とパケットをシェアできる「パケットシェア」をはじめ、友人にパケットを送れる「パケットギフト」、mineoユーザー全体でパケットを出し入れできる「フリータンク」、マイネ王で役立つ投稿などに10MBのパケットを送れる「チップ」など、ユーザー間で気軽にパケットをやり取りできるのは他社にはない大きな魅力です。

NifMo

以前と比べて上りの速度が普通になってしまったNifMo。他のドコモ系MVNO回線よりも若干速度が速いものの、たまに通信が詰まってエラーになることがあります。

プラン内容では直近3日間制限がまだ残っているところが玉にキズ。
昨年9月からは制限日数が1日に緩和されたのでまだ我慢できますが、楽天モバイルですら撤廃しているのでそろそろNifMoも廃止して欲しいところです。

現在は格安スマホと音声プランのセットで10,000～20,000円のキャッシュバックを行っています。「格安SIMにするのと同時にスマホも変えたい！」という方に人気の会社です。

寄稿記事でNifMoの概要を紹介しているので、良ければ合わせてご覧ください。

b-mobile S

b-mobile Sシリーズはソフトバンク回線を使用した格安SIMで、通信速度が安定していることが最大のメリットです。iPad向けの「190 Pad SIM」をSIMフリーAndroid端末で利用しています。

以前よりも速度が落ちているようですが、まだまだドコモ系MVNOよりも高速で通信できています。ぶっちぎりの速度が利用者の増加により遅くなっているのでしょうか。。

料金プランが段階的に変動する特殊なプランですが、使わなかったときは安く抑えられるためライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの人にオススメできます。音声通話が必要であれば「990ジャストフィットSIM」がおすすめです。

ドコモ

3キャリアの中で唯一契約しているドコモ。複数回線をシェアすることで1回線当たりの維持費を削減して持っていますが、6回線ともなるとどんなに頑張っても1万円くらいになりますね。

確かに料金だけ見たら高いですが、大手キャリアならではのサポートや保証、安定した通信品質を考えると十分満足行くと思います。格安SIMにして苦労するよりはお金を払って快適を買いたいという方は「あえて大手キャリアを選ぶ」のもアリだと思います。

年度末や夏のボーナスシーズンになると、端末購入サポートを適用して端末が一括価格で安くなる事が多いです。

IIJmio

格安SIMの知名度や信頼性としては人気のあるIIJmio。
会社としての信頼も厚く、MVNO業界を牽引していく存在となる会社で期待していますが、引き続き混雑状況の改善は取り組んでもらえると助かります。

ネットでの評判も高く人気の会社ですが、通信速度については今ひとつな傾向です。以前と比べてDプランの速度が遅くなっているように感じました。

▼キャンペーンが7月31日（火）まで延長されました。

nuroモバイル / 0 SIM

データの前借りや時間帯で使い放題になるユニークなプラン内容が特徴のnuroモバイル。1GBごとに細かく分かれたシンプルな料金プランで多くの人にピッタリのプランが選べる会社です。

相変わらず厳しい通信容量制限や、画像の最適化で圧縮された画像が表示されるようになりました。今後しばらく様子見してみようと思います。

LINEモバイル

新たに契約したソフトバンク回線はまだまだ人が少ないため予想通り快適でした。カウントフリーもといデータフリー機能は今のところ使えませんが、そのかわりにデータ容量が2倍になるキャンペーンを実施しています。

ドコモ回線はMVNOの平均値より若干速いくらいのため、速度重視よりもプラン内容・キャンペーンで選ぶ方が増えてきています。

プランに標準で組み込まれているデータフリー機能では、LINEやTwitter、Facebook、Instagramなどが使い放題になるため、少ないデータ通信量のプランでもギガ数を消費しない点が便利です。

もし速度制限に掛かったとしても、上記アプリケーションの通信であれば制限に掛からない（一部対象外あり）フルスピードが出るため、SNSを中心にスマホを利用する方にはイチオシです。

OCNモバイルONE

以前からずっと遅い、遅いと言ってきたOCNモバイルONEですが、今回の測定からじわじわと（体感含む）速度が向上してきてるように思えました。画質も中画質程度に落とせば動画視聴も行えます。

回線セット販売でSIMフリー端末を安く手に入る手段として契約者が多いため、格安SIMを試してみる目的で割り切って使うならアリだと思います。メイン回線にするには混雑時がどうしても厳しいです。

FREETEL 使った分だけ安心プラン

維持費が安いので惰性で契約している元FREETELの使った分だけ安心プラン。
速度が速くなったわけでもなく、酷い時期のU-mobileや楽天モバイル同様の速度しか出ません。そんなに使った覚えはないのに速度制限に掛かったんじゃないかと感じるレベル。

もう新規契約できないので解約してもいいけど、既存ユーザーに他社の速度を知ってもらうためにも一応残しています。

会社は楽天に買収され、満を持して発表された端末もイマイチなクオリティで正直言ってオススメ出来ません。今もFREETELを使っている方は速度の速い回線に乗り換えるべきです。

以前はスピードテストだけ速い「スピードテストブースト」を行っていた疑惑もあるため、この回線をメインにするのはおすすめできません。

ロケットモバイル

通信速度はそこそこのレベルを維持しているロケットモバイル。朝は快適に通信できますが、昼と夜はそれなりの速度しか出ません。
上り最大50Mbpsで使い放題（上りのみ）のアゲアゲプランも登場し、他社にはない個性的なプランも出しているため、使い方がプランに合致したときはお得になります。

イオンモバイル

タイプ1とタイプ2で速度に大きく差が出ています。タイプ1の提供元がIIJmio、タイプ2がOCN系列とされており、私は断然タイプ1をオススメしています。タイプ2はお昼の接続がタイムアウトになることが多々あり、使っているとストレスが溜まります。

全国のイオンで契約や修理などのサポートが受けられる点や、音声プランでも最低利用期間や解約金が発生しないところなど、格安SIMや格安スマホ初心者でも安心して契約できるので人に勧めやすいです。

プランの選択肢もデータ容量に応じて多くの種類から選べるので無駄がないです。

エキサイトモバイル

混雑時に弱いですが、朝の時間帯などを中心に利用するとそこまでストレスは感じません。以前は他の会社よりちょっと早い会社でしたが、今は速度が落ち込んでしまっています。

私が契約している段階従量制プラン（最適料金プラン）は、使ったぶんだけ課金されていく料金プランで、データ容量が余ったり足りなくなったりする心配がなく使いやすいです。

楽天モバイル

最近まで調子の良かった楽天モバイルがいつもの速度に低迷。使えなくはないけど積極的には使いたくない速度。
直近3日間制限を撤廃したり、2回線目以降のプランを割引したりとユーザー目線に立ったプラン展開になってきています。会社の評判的にあまり信頼は出来ないですが、暫く様子見してみたいと思います。

楽天モバイルでは定期的な端末特価セール（三木谷割）が行われるため、新たにSIMフリースマホをセット購入予定の方は検討する価値ありです。

BIGLOBE

Dプランは相変わらずですが、Aプランは昼を除けばそこそこの速度が出ています。快適とは言えないものの、SNSなどを楽しむ程度なら普通に使えます。

YouTubeやAbemaTVの通信量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」などが人気を集めるBIGLOBE。以前と比べて速度は落ちていますが、Aプランは最低限利用できるラインはキープしています。
Dプランは相変わらず速度が伸び悩み、動画視聴だと画質を荒くしても止まる事が多いです。

モバレコさんでも詳しくレビューしているので良かったら見てください。

全測定結果

最後に全測定結果を載せておきます。スマホだと縦に長いのでPCから見たほうが比較しやすいかも。