【2019年7月版】格安SIM（MVNO）23回線の通信速度比較　b-mobileやLinksMateが上々。ドコモ回線も多少改善…？

格安SIMではMNOと比べて料金が安くなる反面、デメリットとして挙げられるのが格安SIMは混雑時の通信速度が遅いという話。

毎日のように値下げが繰り広げられるMVNO市場ですが、格安SIMの事業者を選ぶ上で最も重要なのは通信速度だと思っています。せっかく大量に契約しているSIMカードを有効活用するために通信速度の測定を定期的に行っています。

測定環境・条件

格安SIMでは測定する条件によって大きく速度が異なってきます。測定端末や測定時間が完全に同一ではなく、あくまでも私が測定した環境での結果なので参考程度に見てください。

あえて混雑しやすい時間帯を選んで測定しているので「混雑時にどれだけ通信速度を保てているか」を見てもらえるとMVNOの信頼度や通信速度の安定感がより分かってくると思います。

参考用にワイモバイルも含めていますが、ワイモバイルはほとんどMNOのようなものなので基準としてみてください。なるべく時間を短縮するためにデュアルSIM端末でSIMを入れ替えながら切り替えて使用しています。

より正確な速度を出すために「4GMark」を使用

昨年1月から試験的にSpeedtest.netから4GMarkというアプリに切り替えてみました。

このアプリは通常のスピードテストに加えて、YouTube動画の再生やウェブサイトの読み込み速度を数値化してくれる素晴らしいアプリです。

以前から楽天モバイルなどで起こっている「スピードテストは速いのに体感速度は遅い」という問題もチェックできると思います。完全テスト（Full Test）は通信量が多く、複数回測定すると直近3日間制限に引っかかるSIMがあるため時間帯ごとに1発勝負にしています。

2017年11月から通常の速度測定はSpeedtest.netで行うようにします。クイックテストの精度があまり良くなかったり、測定に掛かる通信量が多く見られるため変更しています。

前回からの変更点

前回の測定結果はこちら。

特になし

2017年11月から試験的に表組みを下りと上りを分けて速度が早い順にソートして表示しています。これで速さの差が比較しやすくなりました。

朝8時～9時での測定結果

朝の通勤ラッシュでは、UQ mobileやmineo Aプラン、BIGLOBEモバイル Aプランなどau回線の速度が上位を占めています。続いてLINEモバイルやワイモバイルなどが後を追い、ドコモ回線や各MVNOが並びます。

アップロードの速度はソフトバンク回線が速く、ドコモ回線の中ではNifMoが速かったです。4GMarkの結果では体感速度に近い順で並んでいます。

昼12時～13時の測定結果

お昼のランチタイムの時間帯は、格安SIMの通信速度が遅くなりやすいタイミング。ドコモ回線の格安SIMはほとんど下り1Mbps未満になり、体感でも遅いと感じるスピードに落ちてしまいました。

そんな厳しい条件下でも、UQ mobileやワイモバイルなどのサブブランドや、ドコモ回線は物ともせず安定した速度をキープしています。b-mobile S 190Pad SIMとLinksmateも朝と同様に速い速度が出ていました。

夜19時～20時の測定結果

夜の帰宅ラッシュに測定してみたところ、下りの速度は昼とほぼ変わらない順位になりました。UQ mobileがぶっちぎりに速く、2位のワイモバイルに2倍近い差をつけて圧勝しています。

お昼に遅くなっていたドコモ回線のMVNOも多少マシになっていますが、それでも高画質の動画視聴などは厳しいでしょう。夜に3Mbps程度出ていたら十分速い会社と言えるでしょう。

1日の統計速度

1日の平均速度がこちら。ほとんど昼の速度次第って感じですが、UQ mobileやワイモバイルのサブブランドが強く出ているのが分かります。ドコモ回線ではやはりLinksmateが無難でしょうね。

測定結果を踏まえた感想と今月のオススメSIM

測定結果の前に以前書いた格安SIMの選び方も合わせてご覧ください。

速度重視ならUQ mobileやワイモバイルなどのサブブランド、b-mobile S 190Pad SIMあたりがオススメです。mineo AプランやLinksmateもサービスが充実しているので、速度以外の面で使いやすいと思います。

UQ mobile

相変わらず長期間ぶっちぎりの速度を誇るUQ mobile。
大手キャリアに負けないauのサブブランドを展開しており、豊富な端末から選べたりキャンペーンでキャッシュバックを配っていたりと他社の一歩先を行く会社として注目しています。

筆者も数年間メイン回線として利用していますが、速度の遅さに悩まされること無く使えるのは本当に快適です。「データ容量の選択肢が少ない」など料金プランには少々不満が残りますが、プランの安さや大手キャリアからの乗り換えには最適だと思います。

「ぴったりプラン」や「おしゃべりプラン」では通話を多くするユーザーから人気で、ライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの人にオススメしたいプランです。2年縛りや少々ややこしいプラン内容となるため、純粋なMVNO回線が欲しい方はあまり向かないかも。

2018年9月から「ぴったりプラン」や「おしゃべりプラン」のデータ容量が2倍になり、よりたくさん通信出来るようになりました。これならデータ容量の少ないプランでも足りる人が出てくるのではないでしょうか。

ワイモバイル

安定した通信速度とプラン内容に多くの支持を集めるワイモバイル。

筆者も数年前に契約してから速度の速さに惚れ込み、メインの通話回線をワイモバイルに移行しました。地下や入り組んだ場所だと繋がりにくいことがありますが、繋がる場所なら最速を記録することもしばしば。

格安SIMでも速度に妥協したくない！という方はワイモバイルがオススメです。
MVNOと大手キャリアのいいとこ取りをした会社なので、料金も安く速度も速いというかなり魅力的なプランですね。

プランの複雑さ・2年縛りがあることは初心者に難しいと思うので、唯一そこだけがネックかなと。

下手な格安SIMを選ぶよりもワイモバイルを選んだほうがお得だと思います。

寄稿記事で長文でレビューも行いました。業界最速と言われたワイモバイルの魅力をご紹介します。

mineo

ソフトバンク回線に対応して3キャリア対応になったmineo。

速度についてはそこそこですが、パケットをmineoユーザー間でシェアできる「パケットシェア」「パケットギフト」「フリータンク」などのサービスが使いやすく、個人的に応援したい会社です。

自社のコミュニティサイト「マイネ王」でmineoユーザー同士交流したり、運営会社との距離が近いアットホームな雰囲気が特徴です。定期的にリアルオフ会イベントなどを開催しており、和気あいあいと楽しめるのが気に入っていてmineoを使い続ける理由でもあります。

NifMo

NifMoは月によって速度がマチマチです。速い時は安定して使えるのですが、遅いときはとことん遅いので使い物にならないことがあります。スマホの販売だけではなく通信状況にも注力してほしいところ。今月は昼以外はまともに使える速度が出ていました。昼が良ければオススメしやすいのですが…。

現在は格安スマホと音声プランのセットで10,000～20,000円のキャッシュバックを行っています。「格安SIMにするのと同時にスマホも変えたい！」という方に人気の会社です。Twitterの中の人（姐さん）が居なくなってから盛り上がりが少なくなって来たように思えます。。

寄稿記事でNifMoの概要を紹介しているので、良ければ合わせてご覧ください。

b-mobile S 190 iPad

ソフトバンク回線を使用した「b-mobile S 190 iPad」は、速度が昼夜問わず安定して出ており実は狙いめなんじゃないかと思う会社です。使っているとたまに遅いときはありますが、概ね満足できる速度は常時出ています。

料金プランが段階的に変動する特殊なプランですが、使わなかったときは安く抑えられるためライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの人にオススメできます。音声通話が必要であれば「990ジャストフィットSIM」がおすすめです。ドコモ回線もあるので利用する端末に応じて選んでみてください。

スマホのセットプランがなかったり、容量の繰越などがない点を除けば割と穴場だと思います。

ドコモ

格安SIMの比較用として契約しているドコモ回線。

確かに料金だけ見たら高いですが、大手キャリアならではのサポートや保証、安定した通信品質を考えると十分満足行くと思います。格安SIMにして苦労するよりはお金を払って快適を買いたいという方は「あえて大手キャリアを選ぶ」のもアリだと思います。

2019年6月から新料金プランの「ギガホとギガライト」に変わり、端末購入サポートなどが契約できなくなってしまいました。既にdocomo withを適用している回線があれば、現在のプランを継続したまま契約できる裏技が存在するため後々試してみたいと思います。

IIJmio

格安SIMの知名度や信頼性としては人気のあるIIJmio。

会社としての信頼も厚く、MVNO業界を牽引していく存在となる会社で期待していますが、引き続き混雑状況の改善は取り組んでもらえると助かります。

ネットでの評判も高く人気の会社ですが、混雑時の通信速度についてはあまり速くありません。格安SIMに通信速度を求めない人（混雑時にスマホをあまり使わない人）ならオススメできます。

nuroモバイル / 0 SIM

データの前借りや時間帯で使い放題になるユニークなプラン内容が特徴のnuroモバイル。Aプランの契約を相変わらず迷っていますが、もう少し様子を見てみようと思います。

2018年10月からプランをリニューアルし、1GB刻みの容量別から「お試しプラン」「Sプラン」「Mプラン」「Lプラン」の4種類にまとまりました。

相変わらず厳しい通信容量制限や、画像の最適化で圧縮された画像が表示されるようになりました。今回は0SIMが割と頑張っていたものの、nuroモバイルは相変わらずです。ドコモ回線・ソフトバンク回線問わずどっちもダメダメなので速度を求める方にはオススメしません。

LinksMate

スマホゲームやSNSのカウントフリー機能を提供している「LinksMate」。ゲームアプリのカウントフリー対象が多く、使い方によっては強力にデータ通信量の節約に貢献してくれるでしょう。

1GBプランは上下最大2Mbpsの制限付きでしたが、2019年02月14日（木）から制限が撤廃されて使いやすくなりました。ドコモ回線の中では昼夜問わずそこそこ速く、各社のいいところをうまく取り込んだプランでオススメできます。

ただし、解約時に手数料が必ず発生する（データ専用プランでも！）のが唯一の欠点です。

LINEモバイル

LINEが出している格安SIM「LINEモバイル」は、2019年4月にスタートしたau回線が好調です。開始直後と比べると確実に速度が落ちてきていますが、あと数ヶ月は持ってくれるでしょうか。。

プランに標準で組み込まれているデータフリー機能では、LINEやTwitter、Facebook、Instagramなどが使い放題になるため、少ないデータ通信量のプランでもギガ数を消費しない点が便利です。

OCNモバイルONE

最近調子の良かったOCNモバイルONEですが、今回は微妙な結果になりました。

最近はgooSimSellerなどSIMフリー端末とセット販売がアツいです。端末目当てで音声通話SIMを契約しても初期費用+音声対応SIMの維持費は約14,000円なので回線はおまけと考えたほうが良さそうです。

混雑する時間を避けて使用すれば意外と使えるのですが、混雑時はどうしても通信が遅くなってしまいます。

2018年8月からMUSICカウントフリーが正式に開始しました。amazon MUSICやSpotifyなどの音楽ストリーミング配信サービスをよく利用する人にはオススメ。

ロケットモバイル

通信速度はそこそこのレベルを維持しているロケットモバイル。朝は快適に通信できますが、昼と夜はそこそこの速度しか出ません。

月額300円から使える「神プラン」や、上り最大50Mbpsで使い放題（上りのみ）の「アゲアゲプラン」など、他社にはない個性的なプランも出しています。使い方がプランに合致したときはお得になります。

エキサイトモバイル

混雑時に弱いですが、朝の時間帯などを中心に利用するとそこまでストレスは感じません。以前は他の会社よりちょっと早い会社でしたが、今は至って普通の速度を維持しています。

私が契約している段階従量制プラン（最適料金プラン）は、使ったぶんだけ課金されていく料金プランで、データ容量が余ったり足りなくなったりする心配がなく使いやすいです。

楽天モバイル

通信速度はこれまでと変わらず他社と同じくらい～少し遅い程度です。あえて選ぶ選択肢ではないです。

楽天モバイルでは定期的な端末特価セール（三木谷割）が行われるため、新たにSIMフリースマホをセット購入予定の方は検討する価値ありです。使用料金に応じて楽天スーパーポイントが貯まり、貯まったポイントを毎月の料金の支払いに充てることができるため、楽天ヘビーユーザーにはオススメ。

2018年10月からau回線のプランが開始されたので、今後契約したら測定結果に追加します。

BIGLOBEモバイル

今年に入ってから通信速度が回復してきたBIGLOBEモバイル。

定期的な回線増強を行っているため、朝は比較的速度が出ていますが昼と夜は速度が落ちます。速度重視の方にはあまりオススメ出来ないです。

YouTubeやAbemaTVの通信量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」などが人気で、動画や音楽ストリーミングサービスを多用する方には向いています。新規契約時の特典が増えているので、回線よりも特典優先であれば契約してもいいと思います。

モバレコさんでも詳しくレビューしているので良かったら見てください。

全測定結果

最後に全測定結果を載せておきます。スマホだと縦に長いのでPCから見たほうが比較しやすいかも。